県ふるさと納税大幅増 「富山マラソン枠」貢献

 県のふるさと納税「元気とやま応援寄付金」で、今年4~7月の金額は前年同期の5.5倍となる1541万円、申込件数は7.9倍の496件に増えた。富山マラソンの出場権を得られる「ふるさと納税枠」が大きく貢献した。2019年度の年間実績が18年度を上回って過去最高になるのは確実な見通しで、県は「今後も魅力ある返礼品を考えたい」としている。

 県税務課によると、昨年4~7月は278万8千円、63件だった。金額は1263万円増、件数は433件増となった。

 10月27日に行われる「富山マラソン2019」のエントリー方法に、4万円以上(参加料1万円を含む)を寄付した県外在住者に出走権を贈る枠が設けられた。256人から1024万円が寄せられた。

 富山マラソンによるプラス効果を差し引いても、大きく伸びた。昨年度途中から、クレジット決済に対応している最大手仲介サイト「ふるさとチョイス」に参加したことや、寄付者に贈る返礼品を100品目拡充して139品目とし、富山米の新品種「富富富」などを加えたことなどが奏功したとみられる。

 ふるさと納税は、自治体同士による返礼品競争を招いてきた。過度な競争を防ぐため、今年6月施行の改正地方税法で「返礼品は地場産」「返礼品の調達費は寄付額の30%以下」といった新ルールが設けられた。

 県税務課は「競争が適正になり、寄付先として富山県を選んでもらえるケースが増えるかもしれない」と期待する。19年度末には、18年度実績の2160万円、1020件を超えると予想している。

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