野毛のサンバが小説に 強豪チームメンバーが執筆

打楽器「クイーカ」を演奏する宮嵜道男さん

 日本最大のサンバの祭典「浅草サンバカーニバル」の強豪チームで、1986年に横浜・野毛地区で誕生した名門「エスコーラ・ヂ・サンバ・サウーヂ」をモデルにした小説「光のパシスタ」(志學社)が出版された。サウーヂの打楽器隊でもある筆者の宮嵜道男さん(69)は「人生に夢を与えてくれるサンバは素晴らしい。実体験を踏まえて、その魅力を存分に盛り込んだ」と紹介する。

 小説の舞台は、残暑の東京・浅草で開かれる浅草サンバカーニバル。主人公の三郎は偶然パレードに出くわし、ひときわ美しく舞うダンサー「パシスタ」のサキに一目ぼれする。サキに近づくためにチームに所属し、打楽器隊に加わる。

 チームには、年に1度のカーニバルに持てる情熱を全て注ぐ老若男女が大勢いた。同じ曲に合わせて踊り、語り合い、そして酒を酌み交わすうちにサンバにのめり込む三郎。そして、サキへの思いを深めていく、というストーリーだ。

 サンバは踊り手や打楽器隊だけでなく、山車や衣装をデザインしたり制作したりとさまざな役割があり、誰でもチームの一員になれるのが特徴。宮嵜さんは「31日に開かれる浅草サンバカーニバルを見てほしい。きっとすてきな出会いがあるでしょう」と話している。1620円。全国の書店で販売中。

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