天然ガスボイラー導入 協和ファーマケミカル

二酸化炭素の排出抑制を目指して導入した天然ガスボイラー=協和ファーマケミカル

 医薬品原料製造の協和ファーマケミカル(高岡市長慶寺、大島悦男社長)は、天然ガスを燃料とするボイラー9基を導入した。重油を使っていた従来のボイラーから切り替え、年間4700トンの二酸化炭素(CO2)の排出抑制効果を見込む。(西部本社・浜田泰輔)

 協和ファーマケミカルはキリングループの協和発酵バイオ(東京)の子会社で、抗炎症剤の原薬を主力に幅広い品目の医薬品原料を製造している。ボイラーは化学合成する際の熱源として使用している。

 老朽化していた従来のボイラー更新のタイミングに合わせ、環境への負荷が少ないタイプを導入することにした。

 新しいボイラーの蒸気量は9基合わせて1時間当たり最大27トン。出力を細かく設定できるため燃焼の効率が高まり、年間5~10%のコスト減を見込む。

 天然ガスは高岡ガス(高岡市内免)の都市ガス配管から供給を受ける。タンクローリーで調達していた重油に比べ、都市ガスは災害時に供給がストップするリスクが低いという利点もある。

 同社は1999年にISO14001マネジメントシステムの認証を取得。製品の開発や製造、販売など各プロセスで環境汚染の予防や資源の節約に取り組む。2012年には最終埋立処分量を廃棄物発生量の0.1%以下に抑えることを実現した。永森外彦執行役員は「環境に配慮しながら、多くの人の命を支えている製品の安定生産につなげたい」と話している。

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