【埼玉県知事選】知名度では青島氏がリードするも、「投票に行く」層では大野氏と拮抗。ネット調査結果レポート

来週末25日に投開票を迎える埼玉県知事選挙。16年ぶりに新人同士が選挙戦を繰り広げています。
選挙ドットコムでは、9日(金)10日(土)に埼玉県内の有権者を対象として、電話調査とインターネット調査の両方を実施。それぞれ1100件、1000件の有効回答を得ました。前回の埼玉県知事選挙の年代別投票率等をもとに調査結果を補正・分析し、告示直後の序盤情勢を探りました。
今回はこの調査のうちネット調査の詳細レポートをお届けします。

(参考:埼玉県知事選挙 序盤情勢 大野氏と青島氏が激しく競り合う(速報版)|電話調査+ネット調査

【ネット調査】青島氏と大野氏が激しく競り合う

調査に取材を加味し情勢を分析したところ、無所属で自民・公明の両党が推薦するスポーツライターの青島健太氏(61)と無所属で立憲民主・国民民主・共産・社民の各県組織などが支援する前参議院議員の大野元裕氏(55)と、激しく競り合う展開となっています。

NHKから国民を守る党から立候補している医師の浜田聡氏(42)、無所属で元高校教諭の武田信弘氏(65)、無所属で元会社員の桜井志津江氏(63)は厳しい状況です。

なお、電話調査では4割・ネット調査では6割以上の有権者が態度を決めておらず、情勢は流動的となっています。

与党からの支持を集める青島氏 VS 野党からの支持を集める大野氏

5名の新人が立候補する埼玉県知事選ですが、そのうち、大野元裕氏・浜田聡氏・青島健太氏の3名は政党からの公認・推薦・支持などを受けています。

「あなたは普段、どの政党を支持していますか?」との質問への回答と、各候補への支持を照らし合わせると、自民・公明の両党が推薦するスポーツライターの青島健太氏(61)は、自民党支持層の3割弱を、公明党支持層の4割を固めています。

立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党など野党4党から支援を受ける前参議院議員の大野元裕氏(55)は、立憲民主党の3割強、国民民主党の3割弱、共産党の2割強から支持を集めています。このほか、「れいわ新選組」を支持すると回答した層からも支持を集めています。

医師の浜田聡氏(42)は、「NHKから国民を守る党を支持する」と回答した層からの支持は集めているものの、それ以外の政党を支持する層には浸透していません。

与党(自民党・公明党)と野党(立憲民主党・国民民主党・共産党・社民党など)による埼玉県知事選は、「与野党対決」と報じられる通り、与野党の支持者で投票先が分かれているようです。

このほか、普段の国政で「支持する政党はない」と答えた人では、青島氏と大野氏が拮抗しています。
「支持する政党はない」と回答した人は全体の5割程度いることから、いわゆる無党派層への浸透が、投開票の結果を大きく左右しそうです。

与党支持層における青島氏のひろがり

野党支持層における大野氏のひろがり

「支持する政党はない」と答えた層における青島・大野両氏のひろがり

16年ぶりの新人対決。4期16年の上田前県知事への評価も争点に

今回は16年ぶりの新人同士の対決となっていることから、4期16年に渡って県知事を務めた上田清司氏の県政運営についての評価を聞いたところ、「高く評価する」と回答した人は大野氏を、「あまり評価しない」と回答した人は青島氏を支持しています。

上田県政を「高く評価する」と答えた層の大野氏のひろがり

上田県政を「あまり評価しない」と答えた層の青島氏のひろがり

投票予定者の回答は接戦

埼玉県知事選の投票率は、前回2015年が26.63%、前々回の2011年が24.89%と非常に低い投票率が続いています。そこで、「あなたは、県知事選挙の投票には行く予定ですか?」と尋ねたところ、「必ず行く」が31.4%、「行くつもりでいる」が33.9%、「行かない」が10.1%、「分からない」が24.6%でした。

このうち、「必ず行く」と「行くつもりでいる」と回答した人では、青島氏と大野氏が競り合っています。

投票に「必ず行く」「行くつもりでいる」と答えた層の青島・大野両氏のひろがり

ワースト1位脱却か?投票率によっては結果も変化

埼玉県知事選挙は全国の知事選で「投票率ワースト1」という不名誉な記録を持っています。過去3回は30%を下回る超低投票率となっています。今回は上田清司知事が引退を表明し、16年ぶりの新人対決のなかで一騎打ちの激しい選挙戦が展開されていることから、投票率が上昇する可能性もあります。
調査を行った時点は、電話調査では4割・ネット調査では6割以上の有権者が態度を決めていなかったことから、各候補の選挙運動の浸透と投票率の上昇によっては、結果が大きく変わる可能性があります。選挙ドットコムでは引き続き、埼玉県知事選挙に注目してまいります。

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