イノシシ肉を新名物に 丸焼きでPR 28日「夏祭り」にも登場

イノシシの丸焼きでジビエ料理のおいしさを発信している近藤さん(中央)=波佐見町

 長崎県東彼波佐見町の地域おこし協力隊員で猟師の近藤晋一さん(44)は、町内で捕獲したジビエ(野生鳥獣肉)料理を新名物として売りだそうと奮闘している。地域のイベントに出向き、「イノシシの丸焼き」を実演。インパクトのある見た目で引きつけ、おいしさを知ってもらう作戦だ。28日の「はさみ夏祭り」にも登場する。
 近藤さんは長崎市出身。数年前に狩猟免許を取得した。有害鳥獣の駆除をするうちに、埋設か焼却処分しかないイノシシを食用にできないかと考えるようになった。ジビエ活用に前向きな波佐見町で4月、地域おこし協力隊員に着任。町内の食肉処理施設「波佐見tracks(トラックス)」を拠点として普及促進に取り組んでいる。
 イノシシの丸焼きは7月から町内各地で披露。内臓を取り除いたイノシシを回転させながら焼き、来場者に振る舞う。火が通るまでに時間がかかり、労力はいるが、集客効果は抜群。写真や動画を撮る人も多いため会員制交流サイト(SNS)での情報発信も期待できるという。
 近藤さんは「『残酷だ』と眉をひそめる人もいるかもしれないが、『命をいただく』意味を実感してほしい。実際に食べるとおいしいので、波佐見のジビエが定着するように発信をしたい」と話している。

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