本社機能を富山駅前に リードケミカル

リードケミカルが本社機能を移す「いちご富山駅西ビル」=富山市神通本町

 リードケミカル(富山市日俣、中井環社長)は、本社機能の一部を富山駅前のビルに移す。現在の本社社屋では研究施設を拡張し開発能力を高める。手狭となっていた試験用スペースを拡充し、貼付剤の研究開発体制を強化する。(経済部・池亀慶輔)

 本社機能の移転先は富山市神通本町の「いちご富山駅西ビル」。富山駅に近く、交通の便に優れている点が決め手となった。管理、営業、海外事業の3本部の社員約30人が移る。同ビルは鉄骨鉄筋コンクリート造地上11階、地下1階建て。リードケミカルは1、2階の延べ約650平方メートルを賃借する。9月4日に業務を始める。

 許認可などの関係で登記上の本社は同市日俣から変更しない。研究開発、信頼性保証、生産の各本部はこれまで通り同市日俣で業務を続ける。

 現在本社が入る社屋については機能移転後に空いたスペースを活用し、社屋に隣接する研究所を拡張する。

 貼付剤の試作品をテストするスペースを広げるとともに、実験台も増やして研究開発の環境を整える。ミーティングを行う会議室も設ける。

 従来の消炎鎮痛の領域から呼吸器や皮膚といった新たな領域での経皮吸収貼付剤の開発を推進する。製剤研究などのスタッフを充実させる。中井社長は「開発力を高め、オリジナルの製品を生み出したい」と話した。

 同社は今後、海外展開の加速に伴って対応しなければならない医薬品の規格が増えることを見据え、海外事業を担うスタッフも増員する方針だ。

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