日韓対立でも民間は仲良く 魚津で折り紙通じ交流

折り紙を教える(左から)チェさんとシンさん=魚津市図書館

 日韓関係が悪化する中、韓国から講師を招いた折り紙教室が21日、魚津市図書館で行われた。企画したのは、同市高畠の高山三千江さん(56)と、通訳として活動する韓国出身のチェ・ウンヨンさん(44)=東京。2人は折り紙を通じて8年ほど前から交流している。両国の対立は深刻さを増しているものの、チェさんは「政治は政治、民間は民間。文化交流を進めたい」と話した。

 折り紙教室は、高山さんが支部長を務める日本折紙協会県支部“遊々”と、チェさんが会長を務める紙文化財団韓日紙文化振興協会が共同で開いた。

 2人は2011年ごろに出会い、13年に初めて魚津市で教室を開催。高山さんも韓国に出向き、日本の折り紙を伝えるなど、紙の文化を通じた日韓交流を進めてきた。

 魚津市での折り紙教室は5年ぶり3回目。チェさんが、韓国から紙文化財団のエコペーパーアート協会長、シン・ソンヒさん(57)を招き、折り紙で小物入れと時計を作った。韓国の折り紙は日本より厚めの紙を使い、複数枚を組み合わせて作品を仕上げる。

 シンさんとチェさんは一緒に講師を務め、「韓国は学校で折り紙を習う」「難しく考えず楽しく作って」などと参加した24人に語り掛けた。高山さんは終了後、「文化交流は今までと変わらず仲良く続けたい」と語った。

 参加した山下弥寿子さん(63)=同市三ケ=は「工作みたいな感覚だった。日韓の文化の違いが面白い」と笑顔を見せた。 (新川支社・松下奈々)

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