「親子楽しむ場、創出」 高岡市長がセリオ再生へ方針

 高岡大和(高岡市御旅屋町)の25日の閉店を前に、高橋正樹市長は21日、「親子が一緒に楽しめ、にぎわいにつながるスペースが一つの軸になる」と述べ、御旅屋セリオに子育てに関する施設の整備を検討する方針を示した。市議会9月定例会でセリオ再生に向けた市の方向性を表明し、2020年度から公益施設を順次設置できるよう努めていく考えも明かした。

 市は高岡大和閉店後、3~5階で公益施設の導入を検討している。市長は取材に、子育て支援センターやイベントスペースなど6~8階にある既存施設と相乗効果を生み、「市民の交流の場」を創出すると強調。「市がフロアを取得することを視野に全体のスキーム(枠組み)をつくっていく必要がある」とも語った。

 セリオを巡っては、高岡地域地場産業センター(同市開発本町)を移転する案が浮上している。市長は具体名は避けつつ「いろんな提案や出店の申し込みはある。セリオに持たせる機能を考え、最適な組み合わせにしたい」と述べた。

 運営会社のオタヤ開発や新テナントの開業資金に対する支援策も検討すると言い「できるだけ早く策を示し、市民の期待感を高めていく」と話した。

■空き店舗改修に回遊性高める 中心市街地会議  高岡市中心市街地の活性化策を官民挙げて話し合う「中心市街地賑(にぎ)わい創出会議」が21日、同市御旅屋町のエルパセオであり、御旅屋セリオ周辺に範囲を絞って空き店舗のリノベーション(大規模な改修)や往来の回遊性を高める施策に取り組むことを決めた。

 会合は非公開で行われ、終了後に会長の菅野克志末広開発社長が説明した。現状は若手経営者9人で構成しているが、施策を実行するためにメンバーの増員を検討する。

 市当局や中心商店街の関係者へのヒアリングも行い、課題や今後の方向性を共有する。

 菅野氏は「市民の憧れである中心商店街を復活させたい」と述べた。会議として本年度内に市に活性化策を提言する。

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