『熱闘! 陸王MOBILE 甲子園!』最終幕、いざ決勝のときが迫る。この日のために己の全てを捧げ、ストイックなまでに身体と精神を仕上げてきた、東京代表・羽生和人と福岡県代表・酒井俊信の2人。早朝の今から夕刻の18時まで約12時間の闘いを経て、最後に笑い、最後に泣くのは、はたしてどちらなのか。恐れるな、前を向け。振り向くな、キミは美しい。全身全霊でまだ見ぬバスと闘う、究極の陸王者決定戦 in 旧吉野川。若人よ、いざ! 最後の最後まで、一挙一動を見逃すな!
対戦カードはこちら!
■ENGINE
羽生和人(はぶ・かずひと)
■DUO
酒井俊信(さかい・としのぶ)
陸王MOBILEレギュレーション
【競技について】
■キーパーサイズ25cm以上5尾の総重量で競う。ウェイトおよび全長は、プレスが持ち込んだバネばかりおよびメジャーを使用し、プレス確認のもとで正式スコアとする。バスの全長は口閉じ尾開きで計測する。
■プレスのランディング補助は不可。
■ランディングネットの使用は可能。
■競技時間中のヒットであれば、休憩時間や終了時間を過ぎてのランディングは可能。
【タックル】
■試合当日に使用できるのは2セットまで。タックルが故障の場合は、プレス確認の元で、同様の代用品の交換はOK(替えスプールは合計2個まで使用可能。ラインの巻き替え、スプール交換は自由)。
※プラクティスはこの限りではない。
■ライフジャケットは着用のこと。
【競技エリアについて】
■競技エリアは旧吉野川(徳島県)。エリア内であれば自由に移動は可能とする。
■最下流は以下の通りとする。
旧吉野川:空港大橋(県道40号線)橋脚下まで
今切川:河口堰手前の消波ブロックまで
■その他流入河川、水路に関しては本流から2本目、もしくは水門まで。
■橋下からエリア外に向かってのキャストはOK。
■その他ローカルルールに準ずる。
【競技時間について】
■スタート時の集合場所は今切スロープ前とする。
■スタート時刻は6時00分ごろ。競技終了は18時00分にその場にてストップフィッシング。その後集合して結果発表に移る。
■競技中、9時に30分、12時に1時間、15時に30分のハーフタイム(休憩)を設ける。休憩はその場からの移動不可(釣り以外であればこの限りでない)。
■9時30分に相手の尾数の発表、13時00分に相手の最大魚の発表を行う。
それではさっそく対戦の模様をお届けしていきましょう!
【06:10|羽生】ファーストエリア
スタート後、今切のスロープから上流、鳴門藍住大橋を越えた支流の小規模河川に入った羽生選手。
羽生「慌てないこと。結局自分との勝負ですから。普段をどこまで出せるかですね。粘るときはとことん粘ります。この場所がそうですね」
プラのときに見つけたサンクチュアリ。ここだけで勝負できると言う羽生選手の意気込みがうかがえる。
【06:23|酒井】「夏に欠かせないタックルのひとつ」
酒井「蚊(カ)に1バイト喰らいました(笑)。いや、2バイト、3バイト…ダメだ、これ! オレの血がなくなっちゃうよ(笑)」
そんなこたぁないと思うが、一旦クルマへと戻り虫除けスプレータイム。
心優しい酒井さんはカメラマンさんの脚にもシュッシュと。
ヨシ万全! 実釣を再開だ!
【06:23|羽生】久しぶりに
羽生「竿振ってるよ(笑)」
公開プラのときは竿を持たなかった羽生選手。初手はブーンチンに0.9gのネイルシンカーを入れて沈む虫をさらに沈める。
足元や対岸のカバーに入れ込み、フリーフォールさせて、中層~ボトムでシェイク。
羽生「地味な釣りですが、拾っていきます。釣れれば何でも良いんで」
【06:34|酒井】状況の異変を察知
ハリーシュリンプからドライブビーバーへリグの具をローテーション。カラーはシルエットをしっかり出すべく黒へと。
足下のベジテーション際をひとつひとつ撃っていく。
酒井「あれ? 昨日までの白濁りから回復してるような…」
クリアアップか…。状況は厳しさを増すのか…。
【06:39|羽生】陸っぱりは
羽生「年に0回です(笑)。亀山でトキタさんの桟橋に帰着したあと、片付け終わったら少し投げる程度ですね」
ただ、今回の陸王MOBILEが決まってから数年ぶりに霞陸っぱりに一回行って勘を取り戻したとのこと。
羽生「でも、やっぱりボートがいいな俺は。車って乗り込んだら気持ちが切れちゃうから。だから、この小規模河川をメインエリアとして、かなり粘ると思いますよ」
ブーンチンネイルリグを入れ、そのフォローでレインズスワンプミニのノーシンカーワッキーで探る。
羽生「バスがルアーを見つけてくれない感じだから、なるべくフワフワさせたいんですよ。三島湖でやってるパターンです」
【07:02|酒井】本日1尾目!(え
酒井「釣れたのはうれしいけど(笑)」
残念ながらライギョでノーカウント…。
酒井「アタった瞬間に水面にアワが立って、おかしいなと思ったら(笑)。ヒットルアーはドライブビーバーです…て、言わなくてもいいですか?(笑)」
ウォーミングアップ完了。さ、本命へ!
【07:00|羽生】唯一のネック
陸王MOBILEのエリアに『支流は橋2本めまで』ルールがある。今回の小規模河川では、奥の橋が2本めだ。
羽生「でも、これ橋の機能果たしてないんですよ。車通れないし、片方道じゃないし、利用して渡るの土地の所有者だけだし。これ、本当に橋と呼べるんでしょうか?」
色々と疑問は多いが、構造上は…橋だ。涙をのんで橋より上流は撃たない。
【06:50|酒井】本日のタックル、セットリスト[その1]
現在メインで使用中のベイトタックルは次の通り。
●ロッド:ワールドシャウラ1652R(シマノ)
●リール:アンタレスHG(シマノ)
●ライン:GT-R ナノダックス20lb(サンヨーナイロン)
酒井「カバー撃ちだけならもう少し硬いほうがいいですけど、それだと他の巻きの釣りとかがやりにくくなるんで」と選んだバーサタイルな1本。
もう1本、レアリス忍虫(Duo)がセットされているスピニングロッドは…エクスプライド266L-2(シマノ)。こちらについての詳細はまたいずれ。
なお、レンタカー内でロッドを支えているのは、カールロッドホルダー(ボトムアップ)。
酒井「100均のロッドベルトみたいなやつをヘッドレストに巻いてセットしました」
ナイスアイデア!
【07:10|酒井】「これが陸王ってやつですよ(笑)」
ライギョをキャッチ後、リグり直して、さぁ再開…と思いきや、ラインがロッドのトップ~第3ガイドを通過していない…。
酒井「普段は絶対にこんなミスしないのに、浮き足立ってますね(笑)」
陸王MOBILE 初出場の見えないプレッシャーが襲いかかる。
【07:20|羽生】リグ変えます
PEのスピニングタックルにスワンプjr.の1.8gシンカーネコをリグる。
羽生「亀山パワーフィネススタイルです。スナッグレスにしようか、ガード付きにしようかで悩んでますが」
ところで、今回の陸王MOBILEのタックル2本ルールで2本ともスピニングを選んでいるが、その理由は?
羽生「房総でもベイトやるんですが、それでもスピニングで釣っちゃうんですよ。自分らしくやるならライトリグ、パワーフィネスかなと。それで、1日スピニングの釣りでやり切ろうと思って」
【07:25|羽生】戦慄
羽生「笑えることに今日が僕の誕生日なんですよー。自分の年確認しましたもん(笑)」と場が和んでいた瞬間、突然のバイトで戦慄が走る!!
しかし、捉えきれずに悔しさとともに考え込む羽生選手。「わかんないな。ギルかな…」。
そこで、PEタックルの方をシェイクロー3.5gフリーリグに変えて再アタック。
羽生「PEが耐えられるかが不安だけど、ちょっとパーツ多い系がいいかなと。スモラバにしたかったんだけど、車にあるから(笑)。でも、今のバイトで次のやることがわかりました」
【07:40|羽生】釣れるときは釣れる
羽生「そんなもんですよね、釣りって。すみません、当たり前のこと言って(笑)」
今度はシェイクローの1.3gネコリグに変えて足元を撃って1点シェイクを繰り返す。じっくりやってるのでわずか約100mの距離ですら1往復まだしていない。
【07:55|羽生】流れが効いてきた
今度はフロロのスピニングタックルにスワンプミニ1.8gのオフセットダウンショットをリグる。
すると、これまで止水していたのが上流に向かってゆっくりとカレントが効き始めた。
羽生「これは良いタイミングだと思います。バスが差してきやすいですよね」
機は逃さず、少しでも多くの時間ラインを水に浸けておく。
【07:56|酒井】本日初の移動
酒井「あ、出勤時間帯のピークかな、8時は…」
しかし、上流方向へのルートは比較的スムーズ。
酒井「上流域に1ヶ所だけ狙っておきたいところがある。満水日でも流れが期待できます」
まずは1尾目を獲りたい。
【08:10|羽生】タックル1本目
ここで、羽生選手の1本目のスピニングタックルを紹介したい。現在、スワンプミニのダウンショットがリグられている方だ。
●ロッド:スペルバウンドコアSCS-60-1/2UL-ST(ENGINE)
●リール:ヴァンキッシュ2500HG(シマノ)
●ライン:フロロ5lb
【08:20|羽生】休ませる
小規模河川を1往復終え、次にむかったのは近くの本流筋、鳴門藍住大橋上流の水門周り。
羽生「今日は水門閉じてフル満水の日だからとは思ってたけど、案外流れてるんですね」
川なので多少の水の動きはあるのだろう。
羽生「でも、バスが見えないとやってらんないです。生命感があまりにもない。休ませてた河川の方に戻ります」
【08:20|酒井】往年の秘密兵器を投入か!?
往年のグランダー武蔵世代なら誰もが知る名作、キングオルカイザー!
酒井「フフフ、登場の機会をうかがいます」
マジで???
宮川内谷川へ到着。
【08:35|羽生】2本目のタックル
羽生選手が今回の試合で選び抜いたもう1本がこちら。
現在はブーンチンの0.9gネイルシンカーがリグられている。
●ロッド:スペルバウンドコアSCS-66-1/2-MLST(ENGINE)
●リール:ツインパワー2500HG(シマノ)RMRハンドル
●ライン:PE1.5号
【08:34|酒井】バックスライド投入
フィルターユニット際へ滑り込ませたのは、ハガー(ゲーリーインターナショナル)のノーシンカー。アームはオレンジにディッピング済み。
プラクティス初日にバイト多発して、フッキングせずともくわえたまま離さず水面まで見えたのはキロアップ以上。本日も魚は好反応を見せてくれるのか。
朝露が太陽に照らされ蒸発を始め、ヤブの中は現在サウナの如し…暑い、あづいよ…。
【08:45|羽生】またも戦慄!
ブーンチンのタックルでカバー付近を攻めていると、PEラインがかすかに動くとともにフルフッキング!!
がっ!乗らない!!
羽生「このアワセで乗らないのはバスじゃないかな。ギルか、カメか」
いつもながらに思うが、記者にとってアングラーの一挙一動が心臓に悪い。
【08:47|酒井】見えバス、発見!
酒井「タマネギに頭を向けて2尾います…何かエサを狙っているんだと思います。今何時ですか?」
8時47分、休憩の9時まであと13分です。
酒井「休憩前に釣れなくても、場を30分休ませて、もう1度狙う価値はありますね…うぁ…」
和船2艘、目の前を通過。魚は姿を消した…。
【08:58|羽生】朝のブレイク間近で
羽生「いたいたいた!キロぐらいありますね。シェードに浮いてました」
残り3分で待望のバスを発見! 羽生選手がここで粘る理由は、1番多くのバスを見たからだ。そして、プラでも実際に釣っている確信を持てるエリアだ。
羽生「撃ちません。慌ててアプローチしても良いことがない。居ることが確認できただけで十分です」
ここで、30分の休憩に入る。落ち着いて、リスタートに備える。
【09:28|酒井】ミュータントタートル
酒井「昨日のプラで出会ったローカルアングラーの方が、『キューヨシのバスは小亀を食べてる』と言ってましたね」
ブルフラットはカメだからよく釣れると唱える説もある。
酒井「どうですか、コレは? ペットショップで買えるサイズてこんな感じじゃないですか?」
レアリス忍虫(Duo)にネイルシンカー1/32ozを挿入して、「沈む虫」仕様に。
9時半の休憩明けからは、この小亀でスタートだ。
【09:33|羽生】リスタート!
30分のブレイクタイムを終え、酒井選手の中間報告を聞く。
酒井選手0尾。
羽生「光が見えましたね。でも、何度も言ってるけど自分との戦いだから気にしてない。多分、向こうも同じ考えだと思いますよ」
そう言って、休憩前に見た魚と闘いにいく。
【09:43|酒井】「昨日のプラでの発言はフェイクです(笑)」
前日の下見で、ベイトが何物かに盛んに追われるシーンを目撃した宮川内谷川の下流から2本目の橋・江川橋、左岸の流れ込みへ。
酒井「コイは見えますけど…」
小亀リグ、活躍なるか?
【09:55|羽生】厳しいことなどわかってる
羽生「釣れないってことはわかりましたよ、プラの段階で。でも、(本来)釣れるフィールドで釣れないっていうのより、初めから釣れないっていう方がまだやりようがあります」
スワンプミニのノーシンカーワッキーで沖の表層をシェイクしていると、ウィードパッチから再びバスの姿が!
羽生「見えバス2回目ですね。もう、ここですよ。ベビーチンに変えます。というかどんどんライトリグを変えてアプローチします
読み通り生命感に溢れてくるエリア。今のところ全てが想定内で順調。落ち着き払っている。ここから、ワクワクする展開を魅せてくれるか!!?
【09:58|酒井】本日のタックル、セットリスト[その2]
休憩前に狙っていた最下流側へ。ほんの30分前には存在しなかったオイルフェンスが設置されていた。
酒井さんが使用するもう1セットのタックルはスピニング。詳細は以下の通り。
●ロッド:エクスプライド266L-2(シマノ)
●リール:ステラ2500SHG(シマノ)
●ライン+リーダー:ピットブル0.8号(シマノ)+GT-R ナノダックスショックリーダー12lb(サンヨーナイロン)
※替えスプールには、GT-R ナノダックス6lb(サンヨーナイロン)を装填して用意。
ワールドシャウラと同様、エクスプライドは2ピースをセレクト。今回は航空機利用での遠征参戦のため、預け入れ荷物制限に対応するためだ。
【10:10|羽生】熱中症に気をつけよう
現在の旧吉野川は晴れ時々曇り。無風。水温は冷たく、風が吹けば涼しく秋めいている。
ただ、湿度が高く常に衣服がべとつき汗は出っぱなしだ。平年に比べてとは言うが、キツいものはキツいのだ。
ユーザーのみなさまも、塩分、特に水分はこまめに摂って熱中症対策を行いましょう。
【10:25|羽生】やることは決まっている
PEのスピニングタックルに今度はヤマセンコー3inノーシンカーオフセットフックをリグった。
沖のオープンウォーターに入れてフリーフォール後ズル引いたり、足元のカバーで一点シェイクをしたりと試すが不発。
羽生「一旦場所を休ませて本流の水門周りをもう一度やりましょう」
しばらく、もしかすると1日この釣りが続く可能性がありそうだ。
【10:21|酒井】[WARNING]ヤブコギ時、ハチに要注意!
葉が生い茂るカゲにひっそりと蜂の巣が形成されている場合もあります!
要注意!
【10:33|酒井】本日2度目の移動は、大きく下流方向へ
酒井「え!? もう10時半!」
酒井さんの体内時計に反して、想像以上のスピードで進む陸王タイム。のどを潤しながらのドライブで、朝上がって来た道を下って下流方向へ。
鳴門藍住大橋を渡ると…
酒井「あ、羽生さん! でも、オレがやりたいのは水路じゃなくて、本流側」
挑むのか?
【10:50|羽生】ネバリスト
羽生「どうですか、だんだんネバリスト感が出てきましたか!?(笑)」
バッグとPEスピニングタックルをデポし、ランディングネットは横に置く軽装モードで挑む。
水位が下がり、ベイトフィッシュのイナッコの群れが上流に差し始めた。相変わらず生命感はある。
100m前後の川幅6~7mの川という絞りに絞った旧吉野川水系のバスを狙い撃つ!
【10:50|羽生】2度浸け推奨?
ハガーのロングアームは、先端だけをクイックコートの液体にディッピングして、オレンジの色付け。
酒井「『2度浸けは禁止やで!』と言われても無視してください。2度浸けしたほうが、よりしっかり染まります」
浸けたら、しっかり乾燥を。
酒井「生乾きだと、服に色移りして、洗っても落ちない危険性も…。お? 風が吹き始めた!」
チャンス到来か!
【11:00|酒井】通称:金森バンク
かつての陸王レジェンド戦 in 旧吉野川で、DAY-2に驚異的な追い上げで逆転勝利を果たし、初代レジェンド陸王の座に輝いたのが金森隆志さん。その際のメインエリアとなったのが、坂東谷川の下流側、旧吉野川左岸のバンクだった。
酒井さんは地形の変化によって、流れが巻く場所を探してのカバー撃ち。
ここで怒涛の快進撃となるか!?
11:02|羽生】ついに!
スワンプミニネコリグを沖のウィードパッチ付近でフォールさせたときだった。
羽生「キタッ!」
水紋が立つと同時にスペルバウンドコアが絞り込まれ、ヴァンキッシュのドラグが鳴り響く!! バスだ!!
【11:04|羽生】届け!
羽生「小さいけどキーパーはあるでしょう!!」
だが、足元のカバーに入られる。崖を滑りかけながらランディングネットをこれでもかと伸ばした。
届け、この想い!!!
【11:10|羽生】遂に1本目!
【羽生 440g(1尾):酒井 0g(0尾)】
ここで、試合が動いた!!!!
スワンプミニのリンタローネクストカラーのネコリグで31.5cm、440gをキャッチ!!
羽生「沖の沈みものやウィードパッチに引っ掛けて釣ってたんですけど、こいつは足元フォールさせてたら喰ってた。いや~、泣きそうだよ!」
キタぞ~~~~~!!!!
水路の下流から1本目の橋上流側に、羽生さんの姿が!
【羽生 440g(1尾):酒井 0g(0尾)】
撃って数歩移動する際、酒井さんはなぜか笑顔。
酒井「釣れなくて、笑けてきた(笑)。この距離(100mほどのストレッチ)を撃ち続けて1回あやしいアタリがあったのみって(笑)」
笑えるところではないが、笑う酒井さん。つられて記者もなぜか笑ってしまう。夏の太陽が己の思考回路をくるわせる…半ば地獄だ。
【11:53|酒井】酒井 VS 羽生 初のバッティング!
【羽生 440g(1尾):酒井 0g(0尾)】
水路の下流から1本目の橋上流側に、羽生さんの姿が!
酒井さんはその橋より下流側のみを探り、エリアをシェアした形に。
昼休憩まで、あと7分! 起死回生の1尾なるか!
【11:52|羽生】ここでまさかの
【羽生 440g(1尾):酒井 0g(0尾)】
遠くに見えるは3人の人物。酒井選手チームだ!!
羽生「プラでも一度もバッティングしなかったのにここに来てって。もちろん、先行者は僕ですよね(笑)」
【13:02|酒井】対戦相手・羽生選手の最大魚発表!
【羽生 440g(1尾):酒井 0g(0尾)】
酒井「4500とか言わないでくださいね、ハハハ(汗)」
さすがにテンポンドオーバーは…いないかと…。
では、発表!
よん…
酒井「えっ…」
ひゃくよんじゅう…です。
酒井「…ですよね。羽生さんはやっぱり厳しい時間帯に釣ってますよね。てことは、残り4尾が300とすると…1600~1700くらいは持ってるってことなのかな…。僕の時間はこらから! 15時過ぎに水が動いてからが勝負です!」
さぁ、甲子園決勝もそろそろ始まるし、しまっていこー!
【13:15|羽生】昼休憩後
【羽生 440g(1尾):酒井 0g(0尾)】
朝から入ったエリアから微動だにしない羽生選手。
もちろん昼休憩も停めてある車の付近で。体調を考えてクーラーは一切使わない。妥協はしない。
昼も追加フィッシュに期待したい!!
【13:19|酒井】「うぁぁぁぁぁ…」
【羽生 440g(1尾):酒井 0g(0尾)】
酒井「なんで???アワセようとした瞬間に離した…」
ハリーシュリンプのフリーリグに替え「リーダーレスよりフワーと落としたい」と狙い通りにバイトを得るも、まさかの…。
酒井「暑くなったからやはりそうか…。ヨシ、狙いは間違っちゃいない!」
次こそ、本気喰いに期待!
@高徳線~大正橋
【13:30|羽生】ヒャクパーバス
【羽生 440g(1尾):酒井 0g(0尾)】
スワンプjr.ネコリグで攻めていると、突如フルスロットルのフッキング! しかし、乗せることはできず。
羽生「1回ボトムまでつけて、泳がせてからのフォールで喰ってきまた。あれはバスだね。さっきもチェイス見えたし」
2尾目の期待が高まってきた! 1度あれば2度だってあるはずさ!!
【13:45|羽生】動かざること
【羽生 440g(1尾):酒井 0g(0尾)】
山の如し! 武田信玄も認めそうなほど未だ小規模河川で粘りのアプローチを続ける。画が変わらないのはご愛嬌で。
羽生「昼に入って2バイトあったから、これもう1尾出るんじゃないかな?」
酒井選手が再びこの地に来る気配はない。ということは、独壇場だ。
昨日の公開プラとぽぽ同じタイミングで大きめのボラの群れが差してきた。2本目キボンヌ。
【13:47|酒井】鋼(はがね)のメンタルで撃つべし!
【羽生 440g(1尾):酒井 0g(0尾)】
酒井「魚影が薄いのか、釣り方が間違っているのか。ここで迷走したらダメ。自分を信じて、1投1投を大切に丁寧に」
ハリーシュリンプのヘッド側もしっかり2度浸け。変えない、迷わない。
酒井「やるしかない。きっとどこかで魚に出会うチャンスはある!」
振り返るなかれ、流れのなかで己を問いただせ。
撃つべし! 撃つべし! 撃つべし! 撃つべし!
【14:15|酒井】つ・い・に!
【羽生 440g(1尾):酒井 0g(0尾)】
抜き上げキャッチ!
【14:16|酒井】1本目!『ヤッリィー!』
【羽生 440g(1尾):酒井 1280g(1尾)】
1280g、44cm!
ハングルースで『ヤッリィー!』な1尾! ミラクルトシがついに捻り出した!
酒井「間違えてない、全然間違ってない! 撃ち続けて正解!」
いかにもなカバーでは無反応。捨てキャストで撃ったゴミ溜まりで、まさかのヒット!
酒井「ただ、ここだけ一昨日と同じ水色で、ハリーシュリンプ4in(リーダーレスダウンショット)のオレンジ2度浸けが効いてくれたのかなと。もうひたすら撃ち続けるしかないってことなんですよ、この水域は」
薄い魚影との出会いは、確率を増やすしかないのだ。続けて、撃つべし! 撃つべし! 撃つべし! 撃つべし!
【14:14|羽生】何度め
【羽生 440g(1尾):酒井 1280g(1尾)】
流入の小規模河川をやり、場をリフレッシュするために鳴門藍住大橋付近の水門周りを撃つ。これで何度めの往復だろうか。
羽生「またリグり直したら戻ります。少し休んでいてくださいっ…てもう休んでますね(笑)」
そんな馬鹿な! 座って更新する方がやりやすいのである。決して休んでなどいない。
はずだ。
羽生喰いが甘い
【羽生 440g(1尾):酒井 1280g(1尾)】
羽生「やられた。ワームだけ持っていかれた!」
表層でスワンプミニノーシンカーワッキーのピクピクをやっていたときにバフッと喰って持ってかれた形だった。見えている魚を狙ってはいたが、まさに一瞬の出来事。
羽生「かなり喰いが浅い。この魚撮獲れれば終わりだよね、きっと」
【14:48|羽生】持ち直した!
【羽生 440g(1尾):酒井 1280g(1尾)】
ワームをセットし直して、もう一度橋脚下のシェードにスワンプミニノーシンカーワッキーを撃ち込み直す!
すると、落ちパクで同じ魚が喰ってきた!!
今度のフッキングは乗った! ここは獲りたい!!
【14:52|羽生】2尾目!
【羽生 840g(2尾):酒井 1280g(1尾)】
羽生選手、まさに読み的中!!
かなり厳しいと言われた旧吉野川で2尾目をキャッチ!!
羽生「完全にヤル気のある魚を2回目で仕留めた感じですね。狙ったところに入れた瞬間落ちパクでした!」
30cmジャストの400gジャスト!!
羽生「サイズがプラより小さくなってるのは痛いけど。でも、この川で釣れたことが何よりでしょう。2尾釣ったんだから逃げ切らせて欲しいです(笑)」
と言いつつも、休憩後の2時間30分で更なる尾数、サイズアップを狙う!!
【14:59|酒井】15時休憩の50秒前、滑り込みで2尾目!
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
750g、38cm!
酒井「このストレッチで2尾は上出来!」
ミラクルトシ! 休憩明けもこの勢いを持続だ!
【15:34|酒井】引き続き、大正橋より上流側
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
休憩明けは、さらに上流側へ。
酒井「流れが出るのは15時半から。で、下流から徐々に流れて、三ツ合堰で1時間後くらいという話を聞いたので、ここだと17時くらいなのかな?」
それまで粘り続ける?
酒井「ちょっと考えてみます」
残す2時間半をどう使うのか。この時間の使い方が勝負のキーになりそうだ。
【15:35|羽生】粘り通す
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
15時から最後の休憩をとった後、やるのはやはり、小規模河川。
水質、ベイト、カレント、ストラクチャー、そして、見えバス。どれをとっても好条件なエリアを良い時間帯にみすみす手放したくはないか。
羽生「でも、もうひとりの俺が3本めはないんじゃないかとも思ったり。移動に時間かけたくないし…」
すると、またもウィードパッチでいきなりのバイト!!
羽生「バスなのかな?いろんな魚種がいるからなんとも言えない。でも、バスだったら相当タフだよね」
【15:50|酒井】痛恨のミス…
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
ここまでルアーロストもほぼなく、明確なバイトはすべてモノにしてきた酒井さんだが、ここにきてまさかのアワセ切れ?
酒井「アタったのは魚なのは確か。でも、なぜ? 20lbなので、そうそう切れた試しはないのに…」
リグは既に魚の口の中に入っていたのか。それとも、傷んだ部分を見落としていたのか。
太陽は西へ傾き始めたとはいえ、強く照りつけ続ける。夏が、暑さが、判断力の精度を削ぎ落としていく…。
【15:59|羽生】緊張感
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
見えバス発見! しかも、2尾!!
羽生「サイズは500くらいだけど、でも良いでしょう?」
現場は三度緊張感に包まれる。獲れるか? 3尾目。
【16:08|酒井】「ちょ! え!? 浦川さん?」
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
三ツ合公園に到着する直前に、見覚えのあるクルマとすれ違う。旧吉野川の師範代、浦川正則さんだ!
酒井「この道、公園の駐車場が行き止まり…てことは???」
師範代に叩かれまくり、ペンペン草も生えないくらいに叩かれまくった後なのか? はたして…。
【16:15|羽生】渦潮
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
再び場所を休ませるために鳴門藍住大橋の水門周りを撃つ。15時30分から水門が開き、カレントが効き始めている。
逆からの風波とぶつかり所々で反転流が生まれているのを見て一言。
羽生「鳴門の渦潮は見れなかったけど、これで我慢しましょう(笑)」
【16:30|羽生】遠くで
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
メインの小規模河川に入った直後に見えバス発見!!写真だと羽生選手の対岸手前のカバー際とのこと。
スタッフは一旦待機して、遠くからフッキングを決めるその瞬間を期待して待つ。
【16:19|酒井】今からショップへ買い物へ行くわけには…
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
ここにきて、フックとシンカーの残量が少ないことに気付く。
丁寧な釣りを心がけねば、ストップフィッシングとなる前に打つ手なしとなってしまいかねない。
酒井「最低でもあと1尾! 何とか釣っておきたい!」
使うのは何度でも言うが、ハリーシュリンプ4インチのリーダーレスダウンショットのみ。カラーは「ナチュラルが際立つ」スモーキンクローダッドで、ボディ先端にオレンジ2度浸け。
オレは勝つ 勝つ 絶対勝つ! 負けねぇはず!
撃つべし! 撃つべし! 撃つべし! 撃つべし!
【16:44|酒井】「陸王タイム、進むの早過ぎ!」
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
本日ラストとなるであろう移動。今度は三ツ合の対岸、左岸側へと向かう。
酒井「浦川さんに叩かれた後だったのかな。そう考えると、今回の僕の動きは30分遅れてる…。午前中の見えバス2尾も、あと30分早く到着していれば…」
まだ振り返るべき時ではない。まだ試合は終わっちゃいない。
【16:50|羽生】もう1尾が遠い
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
このエリアにエントリーして10時間超え。
バスを釣るのが難しく、さらに満水日で流れが効いてないという状況下でこのエリアだけに絞って目標の2本を有言実行で釣った羽生選手。
しかし、まだこの小規模河川に魚は複数尾いることがわかっている。
残り1時間と少し。3尾めが遠いが、未だ好条件なのには変わりはない。どれだけ獲り尽くせるかに掛かっている。
【17:06|酒井】昨日ミニエビ2匹を採集した場所なう
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
今使っているのはハガーのノーシンカー、釣れたのはハリーシュリンプのリーダーレス。確かに形状はエビっちゃ、エビだが、昨日捕獲したのとはまるでサイズが異なる。
なぜ網でベイトを採集したのか。その意義とは何なのかついては、試合終了後に聞いてみたい。
さて、競技時間はラスト1時間を切った。
【17:12|羽生】移動したい
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
羽生「この場所のパワーを感じなくなってきた。これが移動の合図だということはわかる。でも、どこ行くって話ですよね(笑)」
依然として集中力を保ちながら釣る羽生選手。ここに来て悩みが出るものの、やり切る方向か!?
【17:15|酒井】ボトムに何の変化もない場所?
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
いや、足下から2mほど沖までリップラップが続き、酒井さんはその先のブレイクへ、ハガーをバックスライドで送り込んでいる。
酒井「あと45分。てことは、サッカーの後半戦と同じ。そう考えると長いですね」
モノは考えようで、ポジティブであれば結果ももれなく付いてくる…ことは多い。
ただし、ロスタイムはない。18時になったら直ちに釣りを終了して、成績発表の場となる今切川スロープへと向かいます。
【17:46|羽生】残り15分切る!
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
羽生「マジで長いよ、陸王MOBILE!みんな夕マズメ行っちゃって見れないでしょ。次回は17時だね(笑)」
それでもやり通す羽生選手。忍耐力と精神力の強さを見せつけられる。
羽生「嗚呼、逃げ切りたいよホント」
残り15分でワンチャンあるか!?
【17:45|酒井】ラスト15分はペンシルベイト!
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
酒井さんの十八番でもあるハードベイトの出番がついに!
アルミ製の名作・テクノペンシル(ウォーターランド※廃盤)。
酒井「ボラが多くなってきたんで、こーいうヤカマシイ系で1発狙い。他で反応なくても、これだけは釣れるってことも多いんですよ」
手首のスナップをフル稼働でトゥイッチ。水面でキラリキラリと左右へ小気味良くドッグウォーク。
終了間際の1尾を釣って『ヤッリィー!』のひとことが欲しい!
【18:00|酒井】「あっという間でした(笑)」
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
酒井「でも、楽しかったです、アハハ(笑)」
撃っても撃ってもなかなか答えのでないキューヨシを相手に、12時間のバトル。披露よりもやりきった爽快感でナチュラルハイか。
酒井「おつかれさまでした。あとは結果を待つだけですね」
いざ、今切川スロープへ。
【18:00|羽生】ストップフィッシング
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
1日フルタイムの釣行お疲れ様でした!
羽生「疲れた、やり切った。他の時期だったら別の釣りもあるんだろうけど、今回はこれ以外考えつかなかったよ」
陸王MOBILE初の1箇所粘り通しでした。
羽生「15時30分のタイミングで移動すべきだったんでしょうけど、移動したところで釣れるとは思えなかったし。まあ、やり切って良かったんじゃないでしょうか。昨日ガソリン満タン入れたのに、全然減ってない(笑)」
ここから結果発表の場所である今切川に向かう。結果発表の更新は20時前後を予定。しばしお待ちください!
【18:55】結果発表!
【羽生 840g(2尾):酒井 2030g(2尾)】
陸王MOBILE第3戦結果発表がこちら。
羽生和人選手(ENGINE)840g。
酒井俊信選手(DUO)2030g。
よって、決勝のチャンピオンカーニバルに行くのは酒井俊信選手!!
詳しいインタビューの内容やタックル、読者プレゼントなどは後日更新いたします。そちらもぜひご確認ください!
陸王MOBILE2019これまでの対戦結果
【第1戦】3月29日 紀ノ川(和歌山県)
水野浩聡(JACKALL)【2尾2080g】Win
岡友成(RAID JAPAN)【1尾1480g】
【第2戦】5月24日 日指ダム(大分県)
佐々木勝也(DAIWA)【5尾4600g】Win
佐々一真(SHIMANO)【2尾1550g】
【第3戦】8月22日 旧吉野川(徳島県)
酒井俊信(DUO)【2尾2030g】Win
羽生和人(ENGINE)【2尾440g】
【第4戦】9月20日???
浦川正則(O.S.Pinc)VS高梨洋平(LEGIT DESIGN&FLASH UNION)
【決勝戦】10月最終週???
ルアーマガジンmobileってなに?
その名のとおり、実売部数ナンバーワンの釣り雑誌『ルアーマガジン』のモバイル版。
とはいえ、雑誌の企画を流用、そのままモバイルに落とし込んだわけではありません。ルアマガ本誌がじっくりとチェックする参考書なら、ルアマガモバイルはいわば毎日使う教科書。
あの湖では“今”、どんな場所でどんなルアーが釣れているのか? 月に一度発売される雑誌にはたくさんの情報を掲載することはできますが、残念ながらまさにこの“今”の部分をお伝えすることができません。
インターネットの速報性を最大限に活かすことで、バスを釣るためにまさに“今”必要な情報を配信することがルアーマガジンmobileの使命であり、それこそが月刊誌とは明らかに異なる点なのです。
■月額:324円(お支払い方法は携帯各キャリア課金または楽天ペイ)