新十字軍 映像作品に 富山商高生 草刈り撮影、作業体験

部員が竹を切る様子を撮影した

■小矢部で活動開始

 森林での下草刈りボランティア「新・草刈り十字軍」が22日、小矢部市内で活動をスタートした。ことしは富山商業高校の広報部4人が11月の県高校文化祭(県高文祭)に出品する映像作品を撮影するため作業を体験し、隊員と交流を深めた。23日まで。(小矢部支局長・柳田伍絵)

 新・草刈り十字軍は、2016年に43年の歴史に幕を下ろした草刈り十字軍を引き継いで17年に結成。拠点の小矢部市で毎年活動している。

 富山商業高広報部の放送班は、昨年夏の草刈り十字軍の元隊員による講演をきっかけに新・草刈り十字軍に興味を抱いた。昨年の活動は他県の高校生も参加しており、高文祭に出品する5分間のドキュメンタリー番組を撮ることに決めた。21日は隊員と里山生活体験施設「ラウベ小矢部」に泊まり、インタビューした。

 22日は早朝から県内を中心に集まった生徒を含む10人余りが下草刈りに汗を流した。竹を切る部員らを撮影した部長の坊坂夏星(ぼうさかかほ)さん(2年)は「番組を通じて、活動を伝えると共に高校生がボランティアに参加するきっかけにしたい」と話した。

■発起人の松井さん 富山に移住  新・草刈り十字軍の発起人、松井美樹さん(27)は今年1月に生まれ育った愛知県豊橋市から富山市に移り住んだ。十字軍の活動をより充実させるのが目的で「若い世代がさまざまな経験ができる場にしたい」と意気込んでいる。

 松井さんは高校2年生の時から毎年草刈り十字軍に毎年参加。小矢部隊の仲間たちとの合宿生活は、温かな居場所だった。若い世代に貴重な学びの場を残したいと、発起人となって新・草刈り十字軍を結成した。

 よりきめ細やかに活動の準備を進めるため、富山市長江東町に引っ越した。活動を通じて触れた富山の豊かな自然や食の魅力も移住を後押しした。

 富山商業高校の生徒が新・草刈り十字軍の取り組みを撮影した映像が今年秋、県内の高校生に披露される。松井さんは「県内の高校生に活動が伝えられるのでうれしい」と喜ぶ。

富山市に移住した松井さん

© 株式会社北日本新聞社