株価、10年で最安値 北電639円、ほくほく956円

 北陸電力とほくほくフィナンシャルグループ(FG)の株価が21日、過去10年間で最安値となった。県内の証券関係者によると、原発問題や超低金利環境、米中貿易摩擦などの複合的な要因のためとみられる。

 北電の株価は一時637円を付け、終値は639円。北電によると、2011年の東日本大震災以降で最安値(終値ベース)。震災前は2000円を超える時もあった。17年の減配発表以降、低水準で推移しており「経営を効率化し、利益確保に努めたい」とする。

 ほくほくFGは、2003年の上場以来の最安値を更新した。終値は956円で、一時942円を付けた。同社は「米中貿易摩擦など外的要因に伴う景気の減速感が影響している」とみている。

 2社の株価下落について、島大証券(富山市中央通り)の島谷治郎社長は、長引く志賀原発(石川県志賀町)の停止や地銀を取り巻く超低金利環境がベースにあると指摘。東証株価指数などの指標銘柄ではないため、株価を支える要因がないと分析する。「需給要因で実力以上に過度に売られている印象だ。きっかけがあれば、反転してもおかしくない」と話す。

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