20代の若者が牽引!海外旅行から始まる世代交代

2018年に海外旅行をした日本人は、延べ人数で1,895万人でした。これは過去最高を記録する数字です。旅行は、時間とお金がある程度必要なレジャーです。時間もお金もある団塊世代は、人口が多いこともあり、消費活動の中心にいて、旅行にも積極的に出かけていました。しかし、この世代の多くは、70代になったことで海外旅行を控えるようになってきているのです。

一方で、出国率(出国者数/人口)が高かったのは、デジタルネイティブで子供の頃からインターネットがある環境で生活してきた若者。ミレニアル世代(狭義では24~30歳)やポストミレニアル世代(19~23歳)を抱える20代です。

日本の20代女性の出国率が高すぎる!?

2018年、特に出国率が高かったのは、20~24歳の女性でした。出国率は、前年比115.5%という伸びを見せ、40.5%となりました。延べ人数ですが、10人に4人は海外旅行をしているのです!驚異的だと思いませんか?

一方20~24歳の男性の出国率は18.4%に留まりましたが、20~24歳男女の出国率は、29.2%となり、5歳刻みで最も高い出国率の年代になりました。

なお25~29歳の出国率についても、男性が22.1%、女性は33.6%であり、男女計が27.7%と2番目に高いものになりました。

彼らの前の世代は、どちらかというと旅行をしない傾向がありました。しかしいまの20代は、旅行を楽しみます。景気のせいもあるのですが、親世代が海外旅行ありきのバブル世代というのも大きな理由です。海外旅行好きの親がいると、子供の頃から海外旅行に行く傾向にあります。逆に一度も海外に行ったことない若者は、親が海外に行かない人なので行きたいと思わないという理由の人も少なくないそう。親の旅行経験や音楽の趣味は、子供に少なからぬ影響を与えているという調査結果が出ているのですが、これは分かる気がしますね!

世界的にみたミレニアル世代の旅行に関する悩み

世界的にみてもミレニアル世代(広義では30代前半や半ばも含む)は、「モノより経験」の価値観を持っています。そしてSNSを通じて広く人とつながることに抵抗がなく、SNSで情報を集め、体験をしたらSNSで報告することが、普通になっています。そして前の世代に比べ、より多く海外旅行をする傾向にあるのです。旅好きが高じ、世界中を旅しやすい環境にあるノマドライフを送るため、仕事を辞めてしまう人が多いのもこの世代の特徴とか!

26か国を対象としたHotels.comによる調査結果ですが、この世代はありきたりじゃない旅をしようとして、1回の旅につき10時間以上ネット検索をします。回答者の32%が、旅行計画は人生最大のストレスの1つとしています。

単純に特別な経験がしたいという思いだけでなく、SNSでの報告もセットな人が多い世代なだけに、余計にプレッシャーを感じるのでしょうね。

(参照)

JTB総合研究所 観光統計2019 特別版 ~2019年の旅行予測~

JTB総合研究所 海外観光旅行の現状2019

JTB総合研究所 日本のミレニアル・ポストミレニアル世代の価値観と旅行に関する調査

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