少年の主張

 長与町立長与中の一瀬梨奈さんは吹奏楽部のパートリーダーだ。ステージは楽しいが、聴く人の輝く笑顔がもっとうれしい。「音楽の力で、誰かの力になりたい」▲長崎市立片淵中の橋田愛理さんは小さい頃から車いすの生活。迷惑がられていないか不安で「大丈夫です」が口癖だったが、友人の一言で無意識に強がっていた自分に気づく。「いろんな人に助けてもらいながら、私も誰かを支える日に向かって進みたい」▲知識、経験、人生哲学…高齢化社会はたくさんの“先生”がいる社会だ-と西海市立大崎中の竹口拓海さんは力説する。「世代をつなぐ仕組みをつくる仕掛人になろう」▲諫早市立喜々津中の松山咲さんは被爆者の経験や思いを受け継いで語る「交流証言者」として活動している。平和は世界中の願いだが、願っているだけでは平和にはならない。「私たち一人一人こそが平和の担い手」▲佐世保市立山澄中の神浦はるさんは、昨年のサッカーW杯を現地ロシアで体験、各国のサポーターと交流して考えた。「1人で世界を変えるのは大変でも、75億人が少しだけ平和への意識を変えるだけで…」。その時きっと世界は劇的に変わる▲一昨日開かれた県少年の主張大会から。令和をど真ん中で生きる世代の言葉が響いて、刺さって、きらめいて。(智)

© 株式会社長崎新聞社