日本けん引の富山コンビ 車椅子バスケの宮島・岩井

 2020年東京パラリンピック開幕まで25日でちょうど1年。バスケットボール男子日本代表で富山市出身の八村塁と馬場雄大が活躍する中、車椅子バスケットボールでも県出身の2選手が男子日本代表として奮闘している。砺波市出身の宮島徹也(30)=県車椅子バスケットボールクラブ(WBC)=と魚津市出身の岩井孝義(23)=同=だ。2人は八村、馬場に続けとばかりに、「良い準備をして、パラリンピックで金メダルを取る」と闘志を燃やしている。

 宮島はバスケをしていた中学2年の時、左ひざ靱帯(じんたい)を断裂。手術の際に血管が傷付いたため足が壊死し、切断を余儀なくされた。車椅子バスケを始めるとすぐに頭角を現し、2008年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロと3大会連続でパラリンピックに出場した。当たり負けしない強さと周囲を生かすプレーに定評があり、リオ大会後も代表に名を連ねる。「新しく取り組んでいるバスケがすごく自分に合っている」と話し、現在のチームが目指す攻守の切り替えが速い「トランジションバスケ」に手応えを感じている。

 経験豊富なベテランは東京大会を見据え「残り1年、まだレベルアップできる。挑戦しながら、しっかり準備をしたい」と力強く語った。

 岩井は小学6年の時に脊髄に腫瘍が見つかり、摘出手術を受けてから下半身と腹筋、背筋をほとんど動かせなくなった。主治医に勧められ中学2年で車椅子バスケを始め、昨年に代表に選出された。「自分のプレーに自信が出てきた。自国開催のパラリンピックに出場できるチャンスを絶対に逃したくない」と代表定着を目指す。

 12人の代表の中で最も障害が重いが、抜群のスピードを生かしたプレーで躍動。「素早い攻撃に参加できるし、守備でもハードなプレッシャーをかけられる」と自信を見せる。

 2人は17~22日に千葉市で行われた強化合宿に参加。試合形式の練習に一緒に参加する機会が多く、宮島は「同じサイドで守ることがあり、(岩井は)機動力があるので助けられている」、岩井も「経験が少ないのでいろんなことを教えてもらっている」と語る。

 チーム内では、2人の連係プレーは「富山ライン」と呼ばれ、「良いコンビ」と評価する声も上がる。宮島は「その回数を増やせば出場時間も増える。八村選手、馬場選手に負けないよう2人で盛り上げていきたい」と話した。 (社会部・久保智洋)

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