■八村・馬場が奮闘
バスケットボールの強化試合は24日、さいたまスーパーアリーナで行われ、31日に中国で開幕する男子のワールドカップ(W杯)に出場する世界ランキング48位の日本は同22位のドイツに86―83で逆転勝ちした。日本は25日に同51位のチュニジアと対戦する。
日本は序盤から八村(ウィザーズ、富山市出身)を中心に得点し、35―42で迎えた後半に渡辺雄(グリズリーズ)らの得点で追い上げた。3点を追った最終クオーターに馬場(A東京、同)のフリースローで逆転し、逃げ切った。八村は31得点の活躍だった。
女子で世界ランキング10位の日本は同39位の台湾に91―59で快勝した。渡嘉敷や宮沢(ともにJX―ENEOS)ら6人が2桁得点をマークした。
■守備改善 高まる完成度
W杯1次リーグで同組となるトルコ、チェコの欧州勢撃破へ、大きな自信を得た。日本は強豪ドイツに最大12点差をつけられても粘り、逆転勝利を飾った。31得点に加え、守りでも奮闘した八村は「向こうも日本なんかに負けたくないと思っているだろうし、良かった」と貫禄を漂わせた。
課題だった守備が改善された。運動量が増し、相手の巧みなパス回しに食らいついた。終盤には八村が相手のNBA選手のシュートをブロックし、逆転への道筋をつけた。3点リードの終了間際には渡辺雄がスチール。「最後まで足を動かし続けられた」と誇った。
突出した個人技で苦しい時間帯を支えた八村に加え、故障明けの渡辺雄も出場時間の制限がなくなり、20得点。反撃の一翼を担い、75―79の終盤には速攻で味方の外したシュートのリバウンドを空中でキャッチし、そのままダンクで決めた。
格上との強化試合で完成度が高まってきた。残り約1分で3点差に広げる値千金のシュートを沈めた篠山は「果たしてドイツが何パーセント(の力)で戦っていたのか分からない。調子に乗ってはいけない」と戒める。それでも世界との距離を着実に縮めていると証明する勝利になった。(鈴木)