核廃絶の願い「海外も同じ」 国連提出累計200万筆超  高校生平和大使報告 

核兵器廃絶を訴える署名をスイス・ジュネーブの国連欧州本部に届けて帰国した高校生平和大使が24日、報告会を開催。核廃絶の決意を新たにする長崎県の高校生ら=長崎市筑後町、ホテルセントヒル長崎

 核兵器廃絶を求める署名21万5547筆をスイス・ジュネーブの国連欧州本部に届けた高校生平和大使の帰国報告会が24日、長崎市内であった。1年で集めた署名の数は過去最多で、同本部に届けた署名は累計で200万筆を超えた。
 今年の第22代高校生平和大使は、県内の3人を含む16都道府県から選ばれた過去最多の23人。18日に出国後、高校生平和大使として初めてジュネーブの赤十字国際委員会(ICRC)を訪れ、国連軍縮会議を傍聴、署名を提出し、23日に帰国した。
 軍縮会議日本政府代表部では高見沢将林軍縮大使を訪問。高見沢大使は核兵器禁止条約に否定的な考えを示したが、一方で「日本の最終的なゴールは核兵器廃絶だ」とし、共通の目標を確認できたと報告した。
 核保有国と核の傘に依存する国の外交官との会合では、核抑止論に肯定的な意見が多かったと明かした。「核兵器は国の安全のために不可欠」といった意見を聞き、福島県のいわき秀英高2年、齊藤帆香(ほのか)さん(16)は「歴史が繰り返される危機感を感じずにいられなかった」と話した。
 県立長崎北陽台高2年の田平彩乃さん(16)は「これまでの署名活動をさらに発展させていきたい」、鎮西学院高2年の内山洸士郎さん(16)は「どうすれば核兵器が必要という概念を変えていけるのか考えていかなければならない」、活水高2年の橋田晏衣(あい)さん(17)は「核廃絶を願う気持ちは海外も同じ。これからの活動につなげていきたい」と語った。

現地での活動を報告する高校生平和大使=長崎市筑後町、ホテルセントヒル長崎

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