バスケットボールの強化試合は25日、さいたまスーパーアリーナで行われ、31日に中国で開幕する男子のワールドカップ(W杯)に出場する世界ランキング48位の日本は、同51位のチュニジアに76―78で競り負けた。
八村(ウィザーズ、富山市出身)をメンバーから外した日本は、48―59からの最終クオーターに馬場(A東京、同)と田中(A東京)の3点シュートや渡辺雄(グリズリーズ)の得点などで一度は逆転に成功。しかし76―76の試合終了間際、相手に得点を許した。
女子で世界ランキング10位の日本は同39位の台湾を81―58で下した。高田(デンソー)が最多15得点だった。
■集中力足りなかった ラマス男子日本代表監督の話 第1クオーターの集中力が足りなかった。すべての試合に勝てると思ったら間違い。W杯は今までの戦いとは比べものにならない高いレベル。甘い試合はない。
■反省と課題 W杯の糧 苦い敗戦で、現状を再認識させられた。八村を休ませた日本はW杯に出場するチュニジア相手に第1クオーターにミスを連発し、出だしで14―24とつまずいた。終盤の猛追で成長の跡を示したが、比江島は「軽い気持ちで入ってしまった」。世界では簡単に勝てないことを思い知らされた。
普段は八村中心の戦術を組む序盤、攻撃の歯車がかみ合わない。第3クオーターには速攻で駆け上がった馬場がダンクを試みたが、身長216センチの相手選手に背後からブロックされ、コートに転がった。最終クオーターに一時逆転したが、田中は「チュニジアだから追いつけたが、トルコ、チェコならそのままいかれかねない」と猛省した。
ただ、課題の守備が流れを変えるきっかけとなるなど収穫もあった。故障明けの渡辺雄は残り約6秒で冷静にフリースローを2本決めて同点とするなど、最多17得点。「正直、もっともっとできる」と頼もしかった。
八村は強化試合で世界レベルでも徹底マークに屈しない高度な技術を披露し「いいものを得られた」と総括した。馬場も「欧州を倒すという夢が目標になった」と言い切った。意義深い戦いを終え、W杯への士気はさらに高まった。(鈴木)