今季開花を遂げた12球団の新星たち 終盤戦ラストスパートの鍵を握るのは誰だ?

広島・小園海斗、日本ハム・清宮幸太郎、ヤクルト・村上宗隆(左から)【写真:荒川祐史】

ホークスの高橋純は4年目の今季、リリーフとして急成長を遂げる

 8月も下旬に差し掛かり、ペナントレースもいよいよ佳境を迎える。各球団116試合から120試合を戦い、残り試合は25試合前後。3月末から始まったペナントを巡る戦いもわずか1か月ほどを残すばかりとなっている。

 セ・リーグは巨人が首位に立ち、優勝へのマジックナンバー「20」が点灯。2位のDeNAとは6ゲーム差、3位の広島とは6.5ゲーム差となっており、5年ぶりのリーグ制覇へ歩みを進めていっている。パ・リーグは2年ぶりのリーグ優勝を目指すソフトバンクが首位に立ち、2位西武との差は3.5ゲーム差。5位の日本ハムまで7ゲームしか離れておらず、混戦の様相を呈している。

 各球団はリーグ優勝、そしてクライマックスシリーズ進出に向けて最後のスパートをかけていく。そこでここでは各球団で今季ブレークを遂げ、勝負どころとなる終盤戦で鍵を握りそうな若手を1人ずつピックアップしていく。まずはパ・リーグだ。

【パ・リーグ】
○ソフトバンク・高橋純平投手
35試合3勝2敗0S12H 防御率2.45

○西武・高橋光成投手
19試合9勝5敗0S0H 防御率4.39

○楽天・弓削隼人
5試合2勝2敗0S0H 防御率2.97

○ロッテ・種市篤暉投手
22試合7勝2敗0S2H 防御率3.19

○日本ハム・清宮幸太郎内野手
59試合174打数35安打5本塁打23打点 .201

○オリックス・山本由伸投手
16試合6勝4敗0S0H 防御率1.84

 首位に立つソフトバンクを2位の西武らが追う展開となっているパ・リーグ。1位から5位まで7ゲーム差となっており、予断を許さない混戦模様となっている。ソフトバンクはやはりリリーフ陣が最大の武器。今季途中から中継ぎ陣の一角に組み込まれ、覚醒した2015年のドラフト1位高橋純はここまで35試合に投げて防御率2.45。25日のロッテ戦では危険球退場となったが、残り試合もセットアッパーとして期待したい。

5年ぶりのセ・リーグ制覇を狙う巨人は2015年ドラ1桜井が成長

 2位の西武は、ここまで9勝をあげている高橋光が頼りだ。自身初の2ケタ勝利に王手をかけて、今季はローテの柱となっている。リリーフ陣が心許ないだけに先発が長いイニングを抑えられるかが今後のポイントの1つになるだろう。日本ハムは、開花したとは言い難いものの、清宮に期待だ。中田が復帰したことで、清宮にも当たりが出てくれば、打線の破壊力は増す。

 オリックスは山本(離脱中だが…)、ロッテは種市と今季急成長を遂げた若き2人がどれだけ勝利を運んで来れるか。楽天はルーキー左腕の弓削に期待したい。7月30日の日本ハム戦ではプロ初完封。8月23日の西武戦では炎上したものの、終盤戦のローテの一角として期待だ。

【セ・リーグ】
○巨人・桜井俊貴投手
24試合7勝3敗0S0H 防御率3.81

○DeNA・上茶谷大河投手
20試合6勝5敗0S0H 防御率4.11

○広島・小園海斗内野手
39試合130打数31安打2本塁打13打点 .238

○阪神・近本光司外野手
118試合483打数130安打9本塁打36打点 .269

○中日・藤嶋健人投手
19試合0勝0敗0S7H 防御率0.00

○ヤクルト・村上宗隆内野手
119試合428打数100安打30本塁打85打点 .234

 セ・リーグはマジック20の巨人を、DeNAと広島が追いかけている。5年ぶりリーグ優勝に向けて期待したいのはシーズン途中からローテ入りしている2015年ドラフト1位の桜井。ここまで24試合に登板、そのうち12試合で先発してプロ初勝利を含む7勝をマークしている。追うDeNAはドラフト1位の上茶谷がここまで6勝。ローテの一角を担っており、残り1か月奮闘してもらいたい。

 広島は不動の遊撃手だった田中が不振により、ついに2軍に降格。ドラフト1位ルーキーの小園が遊撃手として起用されている。ここまで打率.238だが、チームの雰囲気を盛り上げる起爆剤的な役割としても期待される。阪神もドラフト1位の近本が奮闘、中日は右手血行障害から復帰した藤嶋が19試合連続無失点中。終盤戦で重要な役割を担う存在となりそうだ。

 最下位のヤクルトは2017年ドラフト1位の村上が覚醒。打率は.234と高くないものの、リーグ4位の30本塁打、リーグトップタイの85打点と大活躍している。清原和博氏がマークした10代最多本塁打の31本まで、あと1本と迫っており、記録更新、そしてどこまでそれを伸ばすか楽しみだ。(Full-Count編集部)

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