命の大切さ、メバル養殖で学ぶ 射水・放生津小

飼育用の水槽にバケツで水を注ぎ入れる児童。左は齊藤代表理事

 陸上で魚を飼育し命の大切さや養殖の重要性を学ぶ取り組み「陸養プロジェクト」が26日、射水市中新湊の放生津小学校で始まり、稚魚を迎え入れる水槽の設置作業を行った。本年度末まで5年生33人が稚魚の飼育を通じて、さまざまな視点から学習を進める。

 プロジェクトは射水市と市教委、北日本新聞社でつくる実行委員会が主催、日本財団「海と日本プロジェクト」とNPO日本養殖振興会が共催。青森県や東京都、長崎県など全国7カ所で同様の取り組みを行い、放生津小では「メバル」の稚魚を用いる。同校でプロジェクトを実施するのは、サクラマスを育てた昨年に続き2度目。

 この日は、同振興会の齊藤浩一代表理事が同校を訪れ、5年生にプロジェクトの概要や魚の消費が世界で増加する中で養殖の必要性が高まっていることを説明。水槽は教室前の廊下に二つ設置され、児童は水槽の水をろ過する役割を担うサンゴ砂を洗ったり、バケツでくんだ水を注ぎ入れたりした。

 10月上旬には、体長8センチほどの稚魚10匹が運び込まれる。児童は餌やりや海水の取り換えを行うほか、観察記録を付ける。学校に専門家を招き、海の生物や環境問題についても理解を深める。本年度末には育てたメバルを食べるのか、飼い続けるのかなど、児童たちで話し合い、結論を出す。

(射水総局長・高松剛)

完成した水槽を確認する子どもたち
プロジェクトの概要や養殖の重要性を説明する齊藤代表理事

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