【おんなの目】 夏太り

 夏、食欲がなくなるどころか、二キロも太った!

 五枚の暑中見舞い、一枚の礼状を書いたら疲れた。たったそれだけなのに何事かを成し遂げたような気になった。小高い山に登ったような高揚感。その上、漢字がわからなかったので、何度も辞書を引いた。活字の大きな重い辞書だったので、なんだか凄く勉強した気になった。哲学的なレポートを書き上げたような気分だ。

 お菓子を食べた。頭を使った(使ってないけれど)後は脳は疲労している。糖分を欲している。甘い物を食べなきゃ。自分へのご褒美なんて言って…どんどん太る。

 よっこらしょ、と立ち上がる。腰がちょっとだけ痛いので、手を背中に回して腰に手をやる。おや? これって何かに似ている。背中から腰、そしてお尻までの緩やかなカーブ。背中は前かがみになりお尻は後ろに突き出ている。腰からお尻にかけてなだらかに下り(ヒップの位置が下がっている)それから一気にお尻に向けて横に広がる。何度も手をやって背からお尻までの曲線を触る。これって、ゴリラの背中とそっくり。ゴリラが背中を見せて歩いている姿をテレビで見たことがある。背中からお尻への曲線がそっくり。あちらは筋肉だが、私は贅肉。でも似ている。ゴリラってご親戚ですもの。ゴリラの背中に触りたいなあ。

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