豚コレラ危惧で恒例イベント中止 婦中の県畜産研究所「丘の夢牧場」

大勢の来場者でにぎわった昨年のふれあいフェア=丘の夢牧場

 豚コレラに感染したイノシシが県内で見つかっていることを受け、富山市婦中町千里前山の「丘の夢牧場」で毎年秋に開かれている「婦中ふるさとの丘ふれあいフェア」の中止が27日決まった。25年間続いてきた恒例行事だが、会場は県畜産研究所の拠点施設で、不特定多数の人が出入りすることで感染を招く危険性があると判断した。

 同研究所は特定の病原菌を持たない「無菌豚」など約260頭を飼育。7月末に豚コレラに感染したイノシシが見つかった同市大沢野地域から半径10キロ以内にあり、監視対象農場になっている。今月上旬から一帯で関係者以外の通行を禁止。ミニ動物園や展望台、テラスの利用も停止している。

 フェアは牧場から地域の魅力を発信しようと神保地区の住民有志らでつくる実行委が毎年開催。広場や研究所の農機具庫を使い、移動販売店やバーベキュー、トラクターの乗車体験などのブースを設けてきた。

 26回目となる今年は10月13日に開かれる予定だった。今月上旬、同研究所から実行委にフェアでの使用を控えてほしいと連絡があり、27日の神保自治振興会の理事会で承認された。来年以降の開催は未定。神保地区ふるさとづくり推進協議会の荒井聡司会長(66)は「今回の事情はやむを得ない。再開する際は、ぜひ牧場で続けていきたい」と話した。

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