佐々木、奥川だけじゃない! プロのスカウトが評価するU-18“金の卵”たちは?

侍ジャパンU-18に選出された近江・林優樹【写真:Getty Images】

U-18高校日本代表に選出された20人、プロスカウトたちがみた将来有望の選手たち

 30日から韓国・機張(きじゃん)で開催される「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に出場する野球日本代表「侍ジャパン」のU-18高校代表。26日に行われた大学日本代表との壮行試合では5-5と互角の勝負を見せ引き分けに持ち込んだ。

 今秋のドラフト会議では高校ビッグ4に名を連ねる佐々木、奥川、西らに注目が集まるが、数年先に大化けする可能性がある“金の卵”たちにもスカウト陣は目を光らせていた。壮行試合で出場がなかった選手を含めスカウトから将来性を高く評価された選手を紹介していく。

 まずは26日の壮行試合で8回から救援し2回1安打1失点、最速151キロをマークした習志野・飯塚脩人。選抜では準優勝に輝いたが夏の甲子園では鶴岡東に敗れ2回戦で敗退。それでもセ・リーグの某球団スカウトは「真っすぐが強くて馬力がある。先発、リリーフとどちらでもいける。伸びのあるストレートは守護神タイプ。大学進学と聞いているが順調にいけば4年後は1位候補になる」と絶賛する。

 また、日の丸を背負う左腕にも注目。近江の林優樹は壮行試合では同点の7回1死三塁とピンチの場面でリリーフ登板。併殺に打ち取り無失点で切り抜けた。同スカウトは「体ができて真っすぐがもう少し上がってくればヤクルト・石川のような投手になる可能性はある。佐々木や奥川が持っていない投球術とタイミングを外すチェンジアップなど変化球が抜群。あとはどれだけ真っすぐが速くなるか」と、今後の成長に期待を込める。

 そして最後は智弁和歌山・池田陽佑。壮行試合では登板はなかったが春からの急成長ぶりに驚きの声を上げた。「日本代表の1次候補には入ってなかったが夏に向けて真っすぐ、変化球のキレが抜群に上がった。林とは違い本格派として今後も見ていきたい存在。成長度でいえばナンバーワン」と将来性を高く評価。

 あるパ・リーグ球団のスカウトは八戸学院光星・武岡龍世内野手のポテンシャルを評価している。壮行試合では9回に代打で登場する一時勝ち越しの起点となった二塁打を放った。「プレースタイル、ガツガツいくところなんかはプロ向き。一番は体の強さ坂本勇(巨人)とはまた違ったタイプだが鍛えれば中軸を任せられる」と目を細める。

 誰もが認めるドラフト1位候補の獲得にも力を注ぐがセ・リーグの某球団スカウトは「一番の楽しみは下位指名や、伸びしろのある選手が育ってくれた瞬間。我々の想像を超える能力を発揮してくれる選手もいればその逆もある。だからこの仕事はやりがいがある」と語る。数年後、U-18に選出された20人が何人プロの道に進むのか。ビッグネーム以外の選手にも注目していきたい。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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