県内カーシェア拡大 観光・ビジネス利用狙う

カーシェア用の車が置かれているコインパーキング=富山市内

 車を手軽に共同利用できる会員制のサービス「カーシェアリング」が県内で拡大している。業界大手のオリックス自動車(東京)は、23日に富山市内でサービスを開始。タイムズ24(同)は、県内で初めて車の配置場所を設けた2013年時から約4倍の21カ所に増やしている。主として出張や旅行に利用されているが、各社は業務用車両としての法人需要にも期待している。 (経済部・熊谷浩二)

 カーシェアはコインパーキングの一角を利用していることが多い。「ステーション」と呼ばれる駐車場に車を置き、会員向けに15分単位で貸し出している。オリックス自動車やタイムズ24も同様のサービスを実施する。

 各社が県内でのカーシェアに着目する背景には、北陸新幹線開業による交流人口の拡大がある。オリックス自動車は2002年から都市部でカーシェアのサービスを提供し、昨年から全国展開を強化。新幹線駅周辺にステーションを設け、今年3月には金沢市にも進出した。

 県内で第1号のステーションは富山市牛島新町の「NPC富山駅北口」に開設。雪道での利用も想定し、2台の4WD車を貸し出す。今秋は新高岡駅近くにもステーションを設け、20年内に県内の車両台数を10台以上にする。同社広報は「24時間いつでも借りられる便利さを知ってもらいたい」と話す。

 タイムズ24は47都道府県でサービスを展開しており、会員数は個人、法人を合わせて約124万人。全国約1万2300カ所にステーションを置く。

 県内では北陸新幹線開業を見据えて、13年からカーシュア事業を始めた。富山市からスタートし、黒部市や小矢部市など徐々にサービスエリアを広げ、今年6月には新高岡駅近くに高岡市内で初のステーションを設けた。

 県外から訪れたビジネスマンや観光客が主な利用者だが、今後は法人向けに社有車として活用を提案し、地元利用を伸ばす方針だ。

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