あたい、ミニウサギ 名前は「まる」

あたい、ミニウサギ。名前は“まる”って言うらしい。

いつも食べ物とかくれる飼い主?がそう呼んでる。なんかデカいおっさんだけど。

で、あたいはずいぶん前に、何匹かの仲間や他のギャアギャアうるさいモノたちと一緒に、ペットショップにいたらしい。ミニウサギって言うのは、そこで付けられてた名前で、実際はMix。つまり雑種。だから赤ちゃんのときは小さいけど、当たり前に大きくなる。

8年前、生まれて間もない頃のあたい。両手の中にすっぽりと収まるぐらいの大きさ。確かに、これだとミニウサギだよね。

 

 あたいはたぶん8才、なんだって。これもおっさんがたまにあたいに言うから、そうなのかと思うだけ。小さい頃はケージの中でも走り回ってたし、あの頃はケージの外に広い運動場があったんだ。部屋の中だし、フェンスに囲まれてたけどね。昼間はそこへ出して貰って、走ったり、寝たり。楽しかったな。確か、その頃はもう一人飼い主がいて、仲間ももう一匹いたような気もするけど、よくわかんない。

 

 最近は動き回るのもめんどくさくて、狭いケージの中で寝てる事が多いな。眠くなったら寝て、お腹が空いたら藁を食べて、また寝て、喉が渇くから水み飲むけどさ。たまに、おっさんが餌がないのに気づいてくれなかったりすると、ケージの中を走り回って知らせるんだ。メシくれ~!ってね。足をダンダン!ってやって。で、おっさんが気づいて藁やカリカリの食べ物をくれる時には、もう嬉しくって、ブーブー鳴いちゃう。指で鼻の横やほっぺを撫でて貰うときも気持ち良くて、歯をカチカチ鳴らしちゃうんだ。

2歳頃のあたい。ケージの外に広い柵があって、その中でゴロゴロ。

 

 ウサギは鳴かないって言われてるらしいけど、違うよ。ウサギによるけど、割と鳴くウサギは多いみたい。ブーとか、キューとかね。まぁ、鳴くと言うより鼻を鳴らす感じだけどね。今、あたいがハマってるのは、パイナップル。生じゃなくて、ドライフルーツにして細かくしたやつ。あれは美味しいよ~!いつもじゃないけど、1日に1~2回、おっさんがくれるんだ。

もう、飛びついて食べちゃう。最初は手からくれるんだけど、途中でエサ入れにポイって入れるから、あたいはエサ入れに抱きついて、ブーブー、ガツガツ…ひとしきり食べたら、また眠たくなってきて、目が閉じちゃう。

2歳頃だから、まだまだ子ども?というか、若いよね。トイレの縁にあごを乗せてだらけてる。

 

 よくさ、ウサギは寂しがりやだから、1匹にしとくと寂しくて死んじゃうとか言うけど、あれ違うからね。ウサギの種類によって、人懐っこい種類とかおとなしい種類とかあるし、〝個兎差〟もあるから、絶対ってことは言えないんだけどさ。1匹にしとくってことは、餌をやるとかケージの掃除をするとか、世話をしないってことでしょ。そりゃ具合悪くなるよ、寂しくなくても。あたいは雑種だから、ネザーランドドワーフとかロップイヤーみたいに人懐っこくない。最近、1匹でじっとしてることが多いから、その方が楽だな。たまにおっさんがかまってくるけど、めんどくさいよ。エサさえくれればそれでいいよ。おっさんがいない時は部屋が真っ暗だから、ずっと寝てる。気持ちいいなぁ。あ、おっさんが帰ってきた。ウッ、もう電気点けないでよ~。眠いんだから、眩しいじゃん。

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