地元野菜で五島うどん用ドレッシング 長崎大学生商品開発へ

ドレッシングを調理する八代さん(中央)や学生ら=長崎市内

 長崎県五島市の農業活性化を目指し、長崎大経済学部の学生らが、島で取れる野菜を使った五島うどん用ドレッシングの開発に取り組んでいる。同市で農産物の通信販売などを手掛ける会社「いきいき五島」の八代綾子さん(36)が協力。五島の魅力を伝える商品の開発を目指す。
 同大が学生起業家を育成する事業の一環。地域課題の解決策となり得る新規事業を立ち上げる1年半のプログラムで、「食」や「1次産業」に関心がある同大2年の吉村みなみさんと戸川睦徳さん、3年の吉田育未さんの3人が1年前にチームを結成した。チーム名は「ひっだか」。五島弁で「おなかがすいた」の意味がある。
 3人は同市内における農業の担い手不足を課題に設定。島の野菜を気軽に食べられ、多くの人に五島の魅力を伝えられる手段としてドレッシングの製造と販売を発想した。吉村さんは「全国的に有名な五島うどんと組み合わせて、新しい食べ方を提案したいと考えた」と話す。
 ドレッシングのイメージは「雪の中に咲く赤いツバキ」。商品名も「椿(つばき)」と名付けた。白い雪はタマネギ、赤はパプリカで表現。塩やつばき油も五島産を使っている。今後はトマトをベースにした赤いドレッシングの開発も目指す。
 今月末には学生らが福岡市内で試食販売会を行い、アンケートを実施。客の意見を踏まえて改良を加え、11月10日に五島市内で開かれるハンドメイドマーケットで本格的に売り出す。その後は「いきいき五島」からの販売を検討している。
 学生のサポートを続ける八代さんは「ドレッシングの販売が軌道に乗り、五島野菜の魅力が全国に伝われば」と期待する。
 今後の研究開発や広報活動などに充てる資金を、インターネットを通じたクラウドファンディング(CF)のサイト「FAAVO(ファーボ)長崎」で募っている。9月30日までで目標額は100万円。問い合わせはメール(hiddaka510@gmail.com)。

五島の野菜で作った五島うどん用ドレッシングの試作品

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