熊獅子の由来 絵本で紹介 今開発(大島)土曜塾の子ども制作

自分たちで作った絵本「どうしてくまじし」を読む練習をする子どもたち

■9月敬老会で朗読

 射水市今開発(大島)の子どもたちが、地元に伝わる獅子舞の由来について紹介した手作り絵本「どうしてくまじし」を完成させた。9月8日の敬老会で地域のお年寄りに朗読することにしており、子どもたちは本番に向けて張り切って練習している。(射水総局長・高松剛)

 絵本を作ったのは、住民有志が運営している「寺子屋土曜塾」に通う年少児から小学6年生までの子どもたち。「どうしてくまじし」は、地元の今開発天満宮の春季例祭で奉納する獅子舞の言い伝えを紹介する内容で、3月から制作を進めてきた。テンポのいい筋書きと、子どもたちが工夫を凝らしてカラフルに描いた挿絵を組み合わせ仕上げた。

 土曜塾は今開発自治会(竹内三和会長)が2017年度から開催。隔週土曜日に今開発公民館で子どもたちが宿題や習字をしたり、絵本やお菓子を作ったりして地域の人と交流している。絵本制作は昨年に続き2度目で、題材は子どもたちが話し合って決めた。

 敬老会に向けた初稽古を同館で行い、子どもたちはゆっくりとした口調で読む練習をした。同館で開かれる敬老会では獅子頭を展示。お囃子(はやし)に合わせて子どもたちがキリコの舞を披露する。

 大島小6年の前花朔玖(さく)君(11)と草別隼矢(くさわけしゅんや)君(12)はそれぞれ、表紙と裏表紙の熊獅子の絵を担当した。「ふさふさに生えている獅子頭の毛を1本ずつ丁寧に描いた。敬老会では大きくはっきりした声で読みたい」と本番を心待ちにする。土曜塾の世話人代表を務める宮原三千代さん(62)は「絵本作りを通じて地域の伝承に理解を深め、次の世代にも伝えていってほしい」と話している。

© 株式会社北日本新聞社