高齢者対応 理解深める 射水市認知症サポーター養成

高齢者役の包括支援センター職員(左)を相手に声掛けの仕方を練習する参加者

■安心なまちづくり推進

 射水市は市内の企業や団体を対象にした認知症サポーター養成講座の開催に力を入れている。認知症の高齢者と接する機会のある業種の人に正しい知識を持ってもらい、安心して暮らせるまちづくりを地域ぐるみで進める。27日は海王交通(同市本町・新湊)で実施し、バス・タクシーの乗務員ら9人が認知症高齢者への対応に理解を深めた。

 公共交通事業者を対象にした養成講座は初めてで、新湊西地区包括支援センターの職員3人が講師を務めた。認知症の人と接する際は「驚かせない、急がせない 自尊心を傷つけないの『三つのない』が重要」と呼び掛け、1人で対応するのではなく上司や包括支援センターなど周囲と連携する大切さを説明した。

 受講者は高齢者に扮(ふん)したセンター職員を相手に、実際に起こりうる状況を想定しながら声掛けを練習。終了時にはサポーターを示すオレンジ色の腕輪「オレンジリング」が一人一人に手渡された。

 同市では2007年から18年度末までに326回の講座を実施し、約1万1900人が参加した。これまでは町内会や老人会を対象に開くケースが多かったが、今後は、事業所単位での開催を企業などに働き掛けていくことで認知症に対する理解を若い世代にも深めたい考え。本年度は既に市消防団北部方面団を対象に実施したほか、9月には金融機関でも実施する。

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