漂着ごみ最多7302立方メートル 昨夏 富山湾に大量の流木

豪雨の影響で大量の流木などが漂着した海岸=2018年7月、高岡市

■18年度の処理費急増2億5000万円

 富山湾岸で2018年度に回収・処理された海岸漂着物は7302立方メートルで、かかった費用は2億5千万円となり、県が統計を取り始めた12年度以降で最も多かったことが分かった。18年7月上旬の豪雨により、流木が大量に発生したことが主な要因とみられる。県は河川敷での伐木を進めるなど対策を急ぐ方針だ。 (政治部・土居悠平)

 2017年度までの5年間平均の処理量は約2750立方メートル、費用は5500万円。これらと比べ18年度は処理量が2.7倍、費用は4.5倍となった。

 沿岸7市2町の処理量の内訳は富山市が3498立方メートルと最も多く、氷見市1180立方メートル、高岡市962立方メートル、射水市703立方メートルと続いた。

 18年度に処理量や費用が膨らんだのは、漂着物の中に流木や草が多かったためだ。

 18年7月の豪雨では、神通川の神通大橋(富山市神通町)、庄川の大門観測所(射水市大門)で水位がともに約7メートルに達し、観測史上2位の出水量を記録。河川周辺の木や雑草が上流から流れ着いたとみられる。

 漂着物の回収・処理は県と沿岸市町が担っている。簡単に撤去できない流木やごみが増えれば、重機が使える業者に委託しなければならずコストがかさむ。海岸の美観を損なうデメリットもある。

 18年7月は海水浴の時期と重なり、速やかな対応が求められたが、各地で同じ時期に漂着したため、県は業者の手配に苦労したという。過去には流木が漁船や定置網を破損させる被害も起きている。

 19年度、県は対策を強化し、河川敷などに茂る雑木の伐採量を18年度の2倍超となる6388立方メートルに増やす。流木を含む海岸漂着物全般の実態調査も行う予定で、環境政策課は「情報共有し対策に生かしたい」としている。

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