逃走中にカラオケ、銭湯… 受刑予定者かくまった男「事件が報じられ、精神的に追い込まれた」

横浜地裁

 愛川町で6月、保釈後に実刑判決が確定した男が刑務所への収容を拒んで逃走した事件で、逃走中の男をかくまったなどとして、犯人蔵匿と覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた建築業の男の被告(39)=横須賀市=の初公判が29日、横浜地裁(野村充裁判官)であった。被告は起訴内容を全て認めた。

 検察側は冒頭陳述で、逃走事件発生の翌日、被告が男と落ち合い、逃走の手助けを依頼されたと指摘。車で神奈川県や千葉県を転々としていた途中、男に逮捕状が出ていることを知り、出頭も促したが、男から覚醒剤の成分が体から抜けるまで協力するよう強く求められたため、数日後の出頭を約束してかくまうことを決意したと経緯を説明した。

 証拠調べでは、被告の車のドライブレコーダーなどの解析を基に、2人が逃走中にカラオケ店や銭湯に立ち寄っていたことも明らかにした。「事件が大きく報じられ、精神的に追い込まれて覚醒剤を使ってしまった」などとする被告の供述調書も読み上げた。

 逃走事件は6月19日に発生。起訴状などによると、被告は同23日午前2時50分~同6時35分ごろ、公務執行妨害容疑で逮捕状が出ていた男(43)=公務執行妨害や犯人蔵匿教唆などの罪で起訴=を自宅アパートにかくまった、とされる。

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