【MLB】ダルビッシュは「制球面で最高の投手」 地元メディアはPOのエースとして期待

カブス・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

8月は42奪三振1四球と圧倒的な投球「プレーオフのエースになり得る」

 カブスのダルビッシュ有投手は27日(日本時間28日)の敵地メッツ戦で8回5安打1失点7奪三振1四球と快投し、今季5勝目(6敗)を挙げた。8月は42回を投げて42三振を奪いながら、わずか1四球。前半戦は苦しんでいたコントロールが改善し、安定感のある投球を続けている。カブスは現在、ナ・リーグ中地区で首位カージナルスに2ゲーム差の2位。ワイルドカード争いでは出場圏内の2位につけているが、シカゴの地元メディアはダルビッシュがプレーオフでカブスのエースになると分析している。

 米メディア「CBSスポーツ」は「なぜ完全に制球力を向上させたユウ・ダルビッシュがカブスのプレーオフのエースになり得るか」とのタイトルでレポート。コントロールが改善した「ダルビッシュの変化」について「シーズン中の変化としては見たことがないようなもの」だと指摘。さらに、「彼はメジャー最低レベルの投手から、数か月で制球面に関して最高の投手の1人となった」
と絶賛している。

 記事では、ダルビッシュが今季最初の8登板では36回2/3で33四球、実に対戦した打者の20%を歩かせており、被出塁率は.391だったと紹介。一方で、その後の10登板では60回1/3で16与四球にまで減らし、被出塁率は.282に下がったと言及。コントロールはまさに“劇的”に改善している。

「本塁打を打たれる傾向を除き、ダルビッシュは素晴らしい」

 ダルビッシュは7月30日(同31日)の敵地カージナルス戦から5試合連続で8奪三振以上&無四球というメジャー史上初の快挙を達成。特に、オールスター後の制球力は光っており、奪三振能力も落ちていない。後半戦の奪三振数「72」な、ドジャースのビューラーと並んでナ・リーグトップだ。

 記事では、この事実にも言及しつつ「オールスターブレーク以降、本塁打を打たれる傾向を除き、ダルビッシュは素晴らしい。9登板で防御率2.93、WHIP(1イニングあたりの四球+安打)0.80としている。55回1/3で72奪三振、たった3与四球である。55回1/3で3与四球! 被出塁率は.230としている」と絶賛。「今季最初に対戦した打者5人のうち3人に四球を与え、最初の36回2/3で33四球を与えた男が、36回無四球とした」と驚きを持って伝えている。

 ようやく本来の姿を取り戻したダルビッシュ。27日のメッツ戦では、キンブレルに教わったというナックルカーブも威力を発揮し、相手打線を翻弄した。周囲の期待は高まるばかりで、「NBCスポーツ」は「プレーオフのチームでエースの役割を担う選手のように見える」と指摘。そして、「それでも、ダルビッシュには本塁打を打たれる傾向がある。しかし、打球をフィールド内に留めている時、彼はカブス最高の投手である。4月以降、このようなことを言えるようになると思った人はいただろうか?」と締めくくっている。

 2017年のプレーオフでは、シーズン中に移籍したドジャースの一員としてワールドシリーズ出場に貢献。しかし、世界一を決める舞台で2試合ともに1回2/3でKOされる屈辱を味わい、頂点に立つことはできなかった。カブスで、その悪夢を払拭するパフォーマンスを見せることはできるだろうか。(Full-Count編集部)

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