新大工再開発が起工 長崎、2022年10月完成目指す

起工式の神事で工事の安全を祈願する田中丸理事長=長崎市伊勢町

 長崎市新大工町地区で進む市街地再開発事業の起工式が29日、現地であった。事業は旧長崎玉屋周辺の新大工町側と、国道を挟んだ伊勢町側で計画。一部建物の解体が完了し、建設工事は9月から本格的に始まる。2022年10月の完成を目指している。
 再開発は、国道を挟んだ計0.7ヘクタールで計画している。新大工町側には、地上26階、地下1階の複合ビルを建設。1~3階には商業施設が入る。4階以上はマンションとして整備し、約240戸が入居する。伊勢町側には駐車場を中心とした11階建ての施設を造る。二つの施設は、新設する歩道橋でつなぐ予定。
 14年1月に商店街関係者で準備組合を組織し、関係機関と協議を進めていた。18年2月には新大工町地区市街地再開発組合(理事長・田中丸弘子佐世保玉屋社長)を設立。長崎市のまちぶらプロジェクトにも認定され、「食文化発信」「多世代交流型」「歴史と文化伝承」の三つをコンセプトに、具体化を進めている。
 式には組合や行政、工事の関係者ら約120人が出席。神事で工事の安全を祈願した。市商店街連合会の石丸忠重会長は取材に対し「新大工が元気になることで、中心部のにぎわいにもつながるはずだ。地元と融合し、発展を目指してほしい」と期待を込めた。
 田中丸理事長は取材に、現在、商業施設の店舗配置などを進めていることを明かし「商店街と協力し、地域住民の役に立てるような施設にしたい」と語った。

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