4月、神奈川県の平塚市議選で初当選した渡部亮氏(40)=無所属=が市職員時代に市民の個人情報などを持ち出したとされる問題で、同市議会は29日の本会議で、渡部氏に対する辞職勧告決議を賛成多数で可決した。決議には法的拘束力はなく、渡部氏は改めて辞職を否定した。
◆「信頼損なう」と批判
決議案は清風クラブ、公明ひらつか、湘南フォーラムの主要3会派が提出。採決で共産党市議団を含め計17人が賛成した一方で、無所属議員7人全員が「警察も捜査していない状況で時期尚早」と反対した。
決議では「公務員としてあるまじき行為で、社会人として規範に背くもの。市議として市民の信頼を著しく損なうもの」と批判。「事態の重大さを真摯(しんし)に受け止め、自らの意思で直ちにその職を辞すること」を求めた。
決議案を提出した諸伏清児氏(清風クラブ)は「渡部氏本人が市の調査で事実関係を認めている。早い段階で議会の姿勢を示すべきだ」と説明した。
渡部氏は昨年12月まで市職員として在籍し、市のパソコンからUSBメモリーで個人情報などを持ち出した疑いが持たれ、市が刑事告発の準備を進めている。