地震に備え高齢者宅で家具固定 「かぐてんぼう隊とやま」始動

高齢者宅を訪問し、食器棚の転倒を防止する作業を行う隊員

 地震時に家具の転倒による逃げ遅れやけがを防ぐため、高齢者宅を訪問して家具を固定する「かぐてんぼう隊とやま」の出発式が30日、富山市蜷川地区センターであった。隊員は地区内の3軒を回り、家具に対策を施した。

 家具の転倒防止を略して「かぐてんぼう隊」と名付け、2015年に県建築士会富山支部(鈴木保二支部長)が結成。今年は、蜷川、総曲輪、柳町の各地区で行い、9月15日までに計14軒で作業する。

 出発式には隊員や地区住民ら約30人が出席。井波久治蜷川自治振興会長が「住民の防災意識を高め、地区全体の防災力向上を目指したい」とあいさつし、根塚三起生隊長が出発を宣誓した。

 隊員は3人一組になり住宅を訪問し、たんすや本棚などの上にL字型金具と強度を高めるための板を取り付けた。食器棚を固定してもらった同市二俣新町の男性(75)は「以前から地震で倒れないか心配だった。素人ではしっかり固定できないからありがたい」と話した。

 

出発式に出席するかぐてんぼう隊員=富山市蜷川地区センター
防災力向上を目指したいとあいさつする井波蜷川自治振興会長
食器棚を金具で固定する隊員

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