子育て・創業・交流の機能 高岡市のセリオ公益施設  

高岡市が公益施設を導入する御旅屋セリオ=同市御旅屋町

 高岡市は、高岡大和が閉店した御旅屋セリオ(同市御旅屋町)の3~5階に入る公益施設に子育て支援、創業・開業支援、交流スペースの3機能を持たせる方針を固めた。2020年度に子どもの遊び場やレンタルオフィスの開業を目指す。中心市街地の再生に向け、19年度一般会計補正予算案に関連事業費7025万円を盛り込んだ。29日の記者会見で高橋正樹市長が説明した。

 市長は3~5階に3機能が分かれて入る構想だとした上で「それぞれ各フロアの相当程度の面積を占める」と述べた。テナント誘致に取り組むなど、弾力的に他の機能も追加していく。

 子育て支援は「遊ぶ」をキーワードに親子で楽しんだり、学んだりする場所にする考えで、遊具の設置も検討。創業・開業支援はレンタルオフィスのほか、会議室や打ち合わせスペースなどを備える「コワーキングスペース」を想定し、利用者同士の交流を促して新事業創出にも結び付ける。市民が集い交流を深めるイベントスペースも開設する。

 公益施設の早期設置を求める地元の声を受け、市は市議会9月定例会に提出する一般会計補正予算案に調査・設計費用2325万円を計上。市長は、20年度予算案に施工費を盛り込み、同年度内に開業させる青写真を描いているとした。

 セリオへの新規出店を加速させるため、9月の補正予算案に民間テナントを支援する費用4700万円を計上した。新規開業資金やセリオ内で移転する既存店舗の改装費は最大200万円を助成。市民の要望が多い生鮮食品を扱う事業者には、上限500万円を補助して出店を後押しする。

■駐車場無料時間延長  高岡市は中心市街地にある市営の御旅屋駐車場(御旅屋町)とオタヤグリーンパーキング(末広町)で、無料時間を現行の20分から60分に延長し、基本料金を100円に引き下げる。高岡大和閉店で周辺環境が変わる中、利便性を高めてまちなかの滞在時間を延ばすのが狙い。市議会9月定例会に条例改正案を提出し、10月から料金改定する。

 基本料金は60~90分が100円とし、30分ごとに100円を追加する。24時間駐車した場合の上限額は千円。御旅屋駐車場は355台、オタヤグリーンパーキングは15台を駐車できる。

 現行は20~60分の基本料金が324円。日中は30分ごと、夜間は120分ごとに追加料金108円が発生し、24時間駐車の上限額は1080円だった。

 両駐車場は2018年3月末まで市街地活性化に向けた「1時間無料化」の社会実験をしていたが、十分な効果がないとして打ち切った経緯がある。高橋市長は「御旅屋セリオの機能が変わることを踏まえ、料金を改定する」と述べた。

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