逆転CSへ正念場の阪神、カギとなるのは? 専門家が分析「まずは打たないと…」

阪神・糸井嘉男【写真:荒川祐史】

2年ぶりのCSへポイントは…「まずは打たないといけないですね」

 8月31日現在、3位広島を3ゲーム差で追っている阪神。昨季は最下位に終わったが、今季は矢野新監督のもと2年ぶりのCS進出を目指している。残り21試合でどのような戦いを見せてくれるだろうか。

 現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、昨年まで2年間はヤクルトでバッテリーコーチを務めた野口寿浩氏は、「まずは打たないといけないですね」とリーグワーストの449得点にとどまっている打撃を課題に挙げた。

「1、2番のルーキーコンビの調子がいいので、そこにどう繋げていくかですが、どうしても1、2番というとチャンスメーカーになるわけで、そうするとランナーを返すポイントゲッターが福留一人では、いくら大選手とはいえちょっと厳しのかなと思いますね」

 近本はここまで121試合出場で打率.267、9本塁打、26盗塁。木浪は、7月には打率.088と大きく調子を落としたが、8月は打率.431と好調を維持している。しかし、3番を打っていた糸井が負傷で10日から抹消。ベテランの福留頼みとなっているのが現状だ。

「やはり糸井が欠けているのが大きいと思います。3~5番に糸井、福留、マルテで6番に大山(という打順)なら少しは形になりますし、大山で取りこぼしても糸原を7番に置いておけるわけで。糸原がなんとかしてくれる、という状況にできますからね」

 救世主として獲得したソラーテが打率.188と期待外れの成績で抹消されただけに、糸井の早期復帰が待ち望まれている。

守護神・藤川は継続「ベンチが安心して出せるのは球児」

 一方で、リリーフ陣の安定感はリーグでも群を抜いている。39歳の藤川は7月26日にドリスが抹消されると守護神に復帰。約1か月で失敗なしの10セーブと安定しており、31日には現役単独1位の通算235セーブ目を挙げた。8回のジョンソンは防御率1.10、リーグ単独トップの36ホールド。7回の岩崎も防御率1.13、WHIP(1イニングあたりの被安打+与四球)0.71とほぼ走者を出さない圧倒的な投球だ。20日にはドリスが復帰したが、守護神・藤川は継続となっている。

「残り試合も少ないですし、ピッチングの内容を見ていても、ベンチが安心して出せるのは球児ですね。このまま最後まで球児で行ったほうがいい。チームに安心感を与えるという意味でそっちのほうがいいと思います」

 3位の広島は主砲バティスタがドーピング陽性反応で抹消。田中広も右膝手術で今季絶望となるなど調子を落としている。白星を積み重ねれば、CS圏内に浮上するチャンスはまだまだある。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2