世界的に有名な玩具として知られるLEGOレゴは、年間で約750億個のブロックやパーツを販売している世界有数のデンマークのおもちゃメーカーです。
レゴは2030年までに商品全体の素材98%をサスティナブル素材に代替するという目標を発表しました。
その目標の第一歩となる、サスティナブルな素材を使用した「ツリーハウスのレゴ」を2019年7月に販売を開始しました。
現状2%…LEGO社の抱える問題とは
レゴブロックの素材としてに使われるABS樹脂は、石油由来の素材で生産の過程で確実に二酸化炭素を排出しています。
残念ながら今現在、レゴ社の製品のほとんどがABS樹脂を使用しており、このことに対し危惧したレゴ社は2030年までに商品全体の素材98%をサスティナブル素材に代替するという目標を掲げました。
レゴの材料は全部で20種類の素材を使用しており、その素材を使って作られるパーツは合計3,700種類以上になります。
その素材の多さの課題も多く、今現在レゴに使用されている素材に代替する素材はまだ全て見つかっておりません。
しかし、今回発売された「ツリーハウスのレゴ」のパーツの一部は初となるサスティナブルな素材が使用されました。
ツリーハウスのレゴにある紅葉や緑葉のブロックはサスティナブルな素材、原料「サトウキビ」です。
現在のサスティナブル素材への代替は、全体の2%というのが現状ですが、LEGO社の生産量の大きさを考慮すると大きな数字です。
もし、LEGO社が全体の98%のサスティナブル素材に代替ができた場合、LEGO社のサスティナブルな社会への貢献度は大きくあるといえます。
このことからも、LEGO社は一歩一歩着実にサスティナブルな取り組みを始めています。
LEGO社の品質保証のこだわり
参照:LEGO
現在、サスティナブル素材への代替に対して、大きな障壁になっているのがLEGO社の掲げる品質保証のルールとなっています。
レゴの製品はブロックとブロックをつなぎ合わせて遊ぶ玩具です。
故に、少しもズレも許されない精密な生産が要求されます。
日本発祥”レゴクーソー” 欲しいものが商品化されるLEGO社のアイデアシリーズとは
今回発売された「ツリーハウスのレゴ」は、2015年に始動した「LEGO CUUSOO(レゴクーソー)」から始まった企画(現在の「LEGOアイデアシリーズ」)で、2018年の第1回製品化検討レビューから製品化が決まった商品です。
LEGOアイデアシリーズとは、一般消費者より作ってほしいレゴを募集し、選ばれたアイデアを商品化するという企画です。
その前進となった、「LEGO CUUSOO」は日本で展開された企画で、過去には日本の潜水艦「しんかい6500」の販売が実現されました。
SDGsのゴール設定2030年、レゴ98%をサスティナブル素材に
参照:LEGO
国連が目標とするSDGs達成2030年に、「レゴブロックに使われる素材の98%をサスティナブル素材に代替する」と宣言したLEGO社は、サスティナブルな素材の研究を行う施設「Sustainable Materials Center(持続可能な素材センター)」を設立しました。
予算としてその施設に1億5,500万ドル(約165億円)の投資を行い、その姿勢からLEGO社がサスティナブル素材への代替の実現が伺えます。
サスティナブルへの巨額な投資を行なったLEGO社の現状のサスティナブル素材の代替は、現状全体の2%でしかありませんが、これからレゴブロックの製品が次々にサスティナブルな素材に代替されることが計画立てられています。
今後、LEGO社が発表するサスティナブル新商品が世界中に注目されていくことは間違いないでしょう。