南足柄市、ふるさと納税好調 ビール人気、「適正化」恩恵

南足柄市役所

 南足柄市のふるさと納税が好調だ。過度の返礼品を贈っていたとして6月に総務省が全国4市町を除外した影響もあって、特にビールの返礼品が人気を集めている。2019年度は当初の3倍以上に当たる13億円の寄付金を見込んでおり、「適正化」で思わぬ恩恵を受けた格好だ。

 市は19年度一般会計当初予算でふるさと納税による寄付金を4億円計上していた。前年度実績より1億円近く多かったが、7月末現在の寄付金額は4億7千万円。わずか4カ月で予算額を上回った。

 特に人気なのが市内に工場を置くアサヒビールの返礼品。寄付額の30%を超えるビールの返礼品を贈っていた他の自治体が制度から除外されたため、南足柄市に注目が集まったとみられる。全寄付件数(約2万2千件)の9割、寄付額の8割を占めているという。

 仮に13億円の寄付が集まれば、返礼品代などを除いた市の収入は6億5千万円程度の見込み。これは19年度当初予算における個人市民税の4分の1に相当する。加藤修平市長は2日の会見で「ルールを守りながら、したたかに寄付を募っていきたい」と今後も積極的に活用していく意向を示した。

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