出会いの“ドア”開こう 藤子ミュージアム8周年記念

「ドラえもんみこし」も登場した8周年記念祭=川崎市多摩区の市藤子・F・不二雄ミュージアム

 3日に開館8周年を迎える川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム(同市多摩区)は、節目を記念し、ドラえもんとの出会いの“ドア”を広げる。市立全小学校と特別支援学校に、ドラえもんの名作選を寄贈。同ミュージアムは「アニメ、映画と展開しているが、原点であるマンガにもっと触れてもらいたい」と期待を寄せている。

 寄贈するのは小学館の学年誌「小学一年生」~「小学六年生」に掲載されていたエピソードの名作選。学年ごとに1冊にまとめ、計6冊2セットを市立114校と特別支援学校の小学部3校に届ける。

 小学校への寄贈は作者の故藤子・F・不二雄さんの生誕80周年を記念し、単行本全45巻などを贈った2013年に続き2回目。今回寄贈するのは、掲載する学年に応じてテーマや言葉遣い、絵柄を描き分けていた藤子さんの優しい目線が感じられる作品集だ。

 同ミュージアムの開館日はドラえもんの誕生日。贈呈式は1日、開館8周年記念祭の一環で行われ、伊藤善章館長から福田紀彦市長に名作選の目録が手渡された。

 伊藤館長は「巻末の解説も読むと面白さとともに学びにもなる。ぜひ楽しんで読んでもらいたい」と話し、福田市長は「(藤子さんが)子どもたちが分かるように考え、描き分けていたことを知り感動した。市内の小学生はもちろん、さらに世界へと広がっていくことを祈念する」と謝辞を述べた。

 この日は、近隣の小学生による「ドラえもんみこし」も祭りを盛り上げた。「いつも新しい道具が出てきてワクワクする。四次元ポケットが欲しい」とは市立宿河原小6年の吉永潤也君(12)。同校6年の星佑成君(11)も「泣いているのび太君を助け、問題を解決してあげるドラえもんの優しさが好き。(マンガの寄贈で)図書室を利用する人が増えるかも」とはにかんでいた。

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