小中9校を3校に、南足柄市 人口減で公共施設再編案

小学校・中学校再編のイメージ

 南足柄市は2日までに、人口減少や少子高齢化に対応するための公共施設再編計画案を公表した。小中学校については2026年度までに統廃合や小中一貫校新設を行うスケジュールを明記。現在計9校ある小中学校は一貫校を含め3校に再編するとし、早ければ19年度内の計画策定を目指す。

 加藤修平市長は2日の定例会見で「市民や議会に理解してもらえるよう、議論と検討のプロセスを大事に拙速にならないよう進め、その上で政治判断する」と述べた。

 同市の人口は、02年度の4万4389人をピークに減少傾向が続き、19年5月は4万1998人。40年には約3万4千人まで減少すると推計される。中でも15歳未満の年少人口の減少が目立ち、学校施設の老朽化も進んでいることから市が学校再編を検討していた。

 計画案によると、第1期(20~31年度)では、22年度に北足柄小を閉校し、23年度から南足柄小に統合。南足柄小と福沢小は25年度に閉校し、26年度から新設の小中一貫校となる。また岩原小は26年度から岡本小に統合。向田小は26年度から岡本小か小中一貫校に組み込まれる。

 中学校は、足柄台中は23年度から南足柄中か岡本中に組み込まれ、南足柄中は26年度から小中一貫校に移行。また、岡本中も地域の実情を踏まえ、岡本小とともに第2期(32~43年度)に小中一貫校への移行を検討する。

 保育園1園と幼稚園5園についても23年度に新設する認定こども園に統合。このほか、広町パークゴルフ場や総合グラウンド、市営の広町住宅など7施設の廃止も打ち出した。

 市は、再編全体によって長期保全費用139億円、運営費85億円が削減でき、新規整備費用61億円を差し引いても162億5千万円の効果が見込まれるとしている。ただ、学校統廃合を巡っては子どもたちの生活にも大きく影響するだけに、再編計画案への反発もありそうだ。市は18日まで計画案に対するパブリックコメント(市民意見)を募集し、17日から24日にかけて市民との懇談会を開催する。

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