皆さんは、「バート・レイノルズ」という俳優さんをご存知でしょうか? 1970年代から80年代にかけて、多くの作品に出演していたハリウッドスター。一番有名な作品は、日本でも多くの人に愛された映画『キャノンボール』。そこから鳴かず飛ばずの時代に突入し、1997年、ハリウッドのポルノ映画業界の栄華期を描いた『ブギーナイツ』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされます。
セクシーな風貌にニヒルなヒゲと逞しい肉体で、大人気になりましたが、実はこの方、過去にアカデミー賞とは正反対のゴールデンラズベリー賞、通称ラジー賞というその年の最悪映画に贈られる映画賞に7回もノミネートされているんです。惜しくも昨年、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』出演を前に亡くなったバートにとって、この作品は最後の主演映画となりました。
落ちぶれた俳優の主人公に、長年の功労をたたえた賞を贈りたいという、とある映画祭からの招待状が届きます。行ってみたものの、ノックスビルという超ど田舎! 授賞式もぜーんぶ手作りで、映画オタクの若者たちが必死になって作っています。なんだか自分が別府のブルーバード劇場で開催している映画祭を思い出して耳が痛かったですが(笑)。そんな田舎町の授賞式に最初は怒り狂っていたバートがだんだんと温かさを取り戻していく姿は、人生なんて何歳からでもやり直せるという希望をくれます。超大人気の製作スタジオ「A24」が手がけたってことは、映画大好き人間は確実にガッツポーズしちゃうはず。楽しみです! ★★★★★(森田真帆)
監督:アダム・リフキン
出演:バート・レイノルズ
9月6日(金)から全国公開