がんサバイバー支援に奮闘 自身、がんを経験 諫早の山田さん 7~9日 長崎で関連イベント 準備に奔走中

深い呼吸とストレッチで体を動かすサバイバーエクササイズを教える山田さん(中央)=大村市杭出津1丁目、おおむら海辺のクリニック

 がん患者らが日常生活を快適に送れる環境作りに奮闘する人がいる。諫早、大村両市で女性限定のヨガクラスなどを開いている山田純さん(49)=Jrusie(ジェイルーシー)代表、諫早市=。元看護師で自身も卵巣がんと診断され、治療を受けた“がんサバイバー”(がん経験者)だ。がんサバイバーや家族、医療関係者らの交流のきっかけづくりに今月7~9日、長崎市で初めて開かれるイベントに向け準備に奔走している。
 約10年前、趣味のルーシーダットン(タイの古式ヨガ)を深めようと受講したのがインストラクター養成講座だった。ルーシーダットンの講師の資格を取り、県内で開講した2年後、41歳でがんが発覚。悩みなどを共有したくて、同じ境遇のがんサバイバーを探したが、「周囲に病気を隠している人が多く」、仲間を見つけることの難しさを実感したという。
 ルーシーダットンとは別に、5年前から開く「サバイバーエクササイズ」は抗がん剤治療中や術後2年など、さまざまな段階の人が集う。自重を使うストレッチで無理なく体を動かした後は、当事者にしか分からない日常の困りごとなど情報交換をするお話会。相談していた人がいつしかアドバイザーになり、「大したことないよ」と仲間を勇気づける場でもある。
 「都会との情報格差をなくしたい」と意気込む山田さん。運動を通してがんサバイバーを支援する一般社団法人キャンサーフィットネス(東京都)に認定された長崎県唯一のインストラクターとして、同法人が長崎市で初めて開くイベントの準備を進めている。
 患者のほか、家族や医療関係者も参加できる。山田さんは「病気で悩んだり、引きこもったりしている人たちが前向きになるきっかけになればうれしい」と参加を呼び掛けている。予約や問い合わせは山田さん(電090.1088.6056)。

 ■イベントの日時と場所は次の通り。

 ▽講演セミナー「『よりよく生きるため』のこころの在り方」など=7日午後2時、長崎市立図書館研修室(興善町)。千円▽運動プログラム=8日午後2時、同図書館新興善メモリアルホール。1500円▽クリスタルボウル演奏会=8日午後7時、長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館(松が枝町)。1500円▽ヨガ=9日午前10時、長崎ブリックホール(茂里町)。1500円。

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