本県関連会社、営業再開見通せず 九州大雨1週間

水に漬かったソファやテーブルを片付ける「メリーランドタケオボウル」の従業員ら=3日午後、佐賀県武雄市

 【佐賀県武雄市で福岡支社・久保野剛】九州北部を襲った記録的な大雨から1週間。887棟が浸水するなど甚大な被害の出た佐賀県武雄市で3日、延岡市の清本鐵工のグループ会社が運営するレジャー施設「メリーランド タケオボウル」を訪ねた。この施設もまた、営業再開の時期が見通せないほどの打撃を受けていた。
 タケオボウルは同市唯一のボウリング場で、バッティングセンターやカラオケ店、子供用の屋内遊技場などを併設。夏場は1日2千人以上の家族連れらでにぎわう。
 現地に到着すると、駐車場にうず高く積み上げられたソファやテーブル、テレビモニターなどが目に飛び込んできた。水に漬かり、廃棄処分するしかないという。その間を縫うように、従業員が片付けに汗を流していた。
 運営会社管理部の松本光央次長によると、浸水はあっという間だった。8月28日午前4時半ごろ建物内に水が浸入し、1時間後に停電。水量はその後も増え続け、水位は床上50センチにも達した。「どんどん水かさが増した。これほどの経験は初めて」と振り返る。
 同29日朝に水は引いたが、ボウリング場に24ある木製レーンは泥が薄い膜を張ったような状態で、全て張り替えが必要。ボウリング場の機材は特殊なものが多く、すぐに交換や修理ができないという。
 松本次長は「被害額は億単位になるだろう。再開時期も見通せない。早くても11月ごろ」と険しい表情。一方で、暗く沈んだ住民を元気にできる施設でもあり、「一日も早く復旧し、お客さまの笑顔が見たい」と自らを鼓舞していた。

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