再投資も補助対象 県が新企業誘致施策 拡大地区も

黒岩祐治知事

 黒岩祐治知事は3日、県の新たな企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT(ネクスト)」の概要を明らかにした。県内企業の再投資や中小企業向け支援策を拡充するとともに、横須賀・三浦と県西地域に限定して補助対象の産業を拡大する。新制度は11月にスタートさせ、2022年度までに200件の立地支援を目指す考えだ。

 ネクストは、事業期間を来年3月まで1年延長していた「セレクト神奈川100」の後継制度。24年3月までの申請が対象で、県は39年度までの限度額として170億円の債務負担行為を設定した。定例会見で知事は「ダイナミックにボリューム感を出して補助金を提示し、皆さんのハートに届く企業誘致策にしたい」と語った。

 新制度の柱は、既存企業による県内再投資に対する補助の新設。大企業は投資額の3%、中小企業は6%を補助する。圏央道の開通などで近隣他県との地域間競争が激化している現状を受け、県外・国外からの誘致促進(投資額の5%補助)に加え、既存企業の県外流出を防ぐのが狙いだ。

 また、横浜や川崎に立地が集中する地域偏在の解消に向け、横須賀・三浦と県西地域に限って補助対象を拡大。従来のロボットや先端医療など8産業に「地域振興型産業」を加え、食料品と飲料の製造業を新たに対象とする。

 このほか、対象業種の宿泊施設に「旅館」を追加、ホテル客室数の要件を従来の100室から30室に緩和(横浜・川崎市以外)するなど制度拡充を図る。不動産取得税の2分の1軽減や中小企業向け企業立地促進融資などは継続させる。

 県によると、セレクトかながわ100の立地支援実績(16年度から3年間)は138件。地域別では横浜が最多の61件で、県央28件、川崎24件、湘南15件、横須賀・三浦6件、県西4件の順だった。

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