41歳俊輔 山場に力を キャリア23年で初の昇格争い 横浜FC

横浜FC・MF中村俊輔

 サッカーJ2横浜FCの元日本代表MF中村俊輔(41)がキャリア23年目で初の昇格争いに挑んでいる。チームは12戦負けなしと好調を維持し、今季初めて自動昇格圏の2位に浮上。2007年以来のJ1復帰も現実味を帯びてきたが、「目先の順位にとらわれると足元をすくわれる。上がるのはもちろん大事だけど、J1に行っても通用するようなサッカーを追求して日々一生懸命やるだけ」と一喜一憂することなくトレーニングに励んでいる。

 中村は8月31日のリーグ第30節・モンテディオ山形戦(NDソフトスタジアム山形)で移籍後初先発。「練習の質がいいし、言葉にはみんな出さないけれど、誰が出てもいいというくらいのレギュラー争いをしている。それを考えると僕も結果を残さなきゃいけなかった」と引き分けに終わったゲームを反省したが、勝ち点を52に伸ばして得失点差で2位に浮上した。

 1997年に横浜マリノス(現横浜F・マリノス)でプロデビュー後、国内外のトップリーグで何度もタイトル争いに絡んできた。2部リーグでプレーするのは初めてだが、「自分を含めて全体のレベルを上げることが大事。(横浜FCの)会長も社長も、J1に行って通用するチームづくりを目指しているから、俺みたいな選手を取ったと思う。それに貢献したい」と使命を口にする。

 今季のリーグ戦は3分の2強を消化し、残り12試合。上位争いは2位横浜FCから7位ヴァンフォーレ甲府までの6チームが勝ち点3差にひしめく混戦となっている。百戦錬磨のレフティーは「一気に2位浮上? そんな雰囲気でもないし、選手同士でそういう話もしない。まだ最後の最後に(ヤマ場は)来ると思う。勝負どころで爆発的な力を出すことが大事」と冷静にシーズン最終盤を見据えている。

 横浜FCは9月7日、ニッパツ三ツ沢球技場(横浜市神奈川区)で行われるリーグ第31節で、7位甲府と上位生き残りを懸けて対戦する。午後6時キックオフ。

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