横浜の「記憶を記録する」 高島屋で森日出夫写真展

(左から)余貴美子さん、加藤登紀子さん、大判カメラについて説明する森日出夫さん=横浜高島屋ギャラリー

 横浜市生まれの写真家、森日出夫さん(71)が横浜に焦点を当てた作品で、初期から最新作までの約110点を紹介する「森日出夫写真展YOKOHAMA1969-2019」が4日、横浜駅西口の横浜高島屋ギャラリーで始まった。神奈川新聞社の主催。16日まで。入場無料。

 1969年ごろから「記憶を記録する」として横浜の港や人、街角を撮り続けてきた森さん。取り壊されたバンドホテルなど、現在では見ることができない風景を捉えた作品も多い。

 森さんは「横浜の風景は変わってきているが、どこかに歴史のかけらを残している。写真という一つのことをずっとやってきたことで見えてきたものもある。新しくなった横浜も、これから撮り続けていきたい」と意欲を見せた。

 開幕に当たって、シンガー・ソングライターの加藤登紀子さん、女優の余貴美子さんが駆け付け、テープカットを行った。二人は、森さんがライフワークとして取り組んでいる、大判カメラで白黒フィルムを使って横浜ゆかりの人物の全身像を捉える「わたし」シリーズで、モデルを務めた。

 余さんは「フィルムの枚数が限られていてメークにもポーズにも力が入った。森さんが作る横浜の物語の一部になれてうれしい」と撮影を振り返った。

 他の作品がきっかけで親交を深めてきたという加藤さんは「すっかり深い仲」とほほ笑み、森さんの作品を「いろんな瞬間が胸に突き刺さってくるようで感動している」と話した。

 問い合わせは、横浜高島屋電話045(311)5111。

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