【迫る10%消費税】 軽減税率対応レジ品薄 

軽減税率制度に対応するレジを展示するコーナー=富山商工会議所ビル

■県内、買い替え駆け込み  10月の消費税増税に伴って導入される軽減税率制度に対応するレジが、駆け込み需要で品薄になっている。急激な需要の高まりを受け、国は対応レジの補助金の要件を緩和した。ただ、県内の販売代理店は制度開始までに納品が間に合わない商品があるため、顧客への対応に頭を悩ませている。(経済部・浜松聖樹)

 軽減税率は、10%への増税による負担を和らげるため、外食や酒類を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く制度。事業者は複数の税率に対応するレジの導入や、受発注システムの改修などが必要になる。

 代理店の大信産業(富山市太田)には8月上旬ごろから注文や問い合わせが増えた。同社は需要を見越し、事前に約60台をストックしていた。在庫は減ったが、まだ残っており、売り切れた一部の機種は10月中旬以降に納品する見込み。

 政二大蔵取締役営業部長は「在庫がなくなった後の対応をどうするのかは、まだ決まっていない。対応レジがない状態で10月を迎えるお客さまのことが悩みの種」と話す。対応レジの中古機を貸し出し、商品を入荷後に入れ替えることを検討しているという。

 瀬戸大泉店(富山市大泉町)は7月末ごろから問い合わせが増え、全ての在庫が予約済み。10月までの納品を確約するのは難しいという。「全国からメーカーに注文が集中し、順番待ちの状態。購入を希望する場合は、早めに注文してほしい」と呼び掛けている。

 別の代理店も「問い合わせがあっても、『10月以降になる』としか言えない。メーカー次第だ」と話す。

 対応レジの需要の急増に対し、中小企業庁は8月下旬に補助金制度の要件を緩和すると発表。従来の要件では導入や支払いの完了期限を9月末としていたが、9月末までに契約すれば交付することにした。

 富山商工会議所は、富山市総曲輪の商議所ビルで対応レジなどの展示コーナーを設置。国の補助金の要件緩和や、富山市の追加補助制度について紹介している。「事業者に直接的なメリットがある補助なので、利用してほしい」としている。

© 株式会社北日本新聞社