それはこんな一言から始まった…!
編集J:「わたしのテント内、いつもカオスなんだけど、みんなテント内って荷物どうしてる?」
編集S:「え…僕もカオス…。配置とか特に考えてないな」
編集K:「同じく…いつも荷物散乱してる。三宅さん、いつもどうしてますか?」
筆者: 「え…実は私、ゴミ屋敷…」
深く考えたことありませんでした。
登山向けのテントはスペースも限られているため、「狭いテント内は散らかっているものが普通」だと。
そう言われてみると、人さまのテント内ってどんな感じなんだろう?
みんな整理整頓しているの??
整理整頓のコツがあるなら、筆者もゴミ屋敷を脱出したい!
気になってしまった以上、放っておくわけにはいきません。
そこで、多くのテント泊ハイカーで賑わう立山のライチョウ沢へと突撃取材!いつもはベールに包まれたテント内を、こっそり見せてもらうことにしました。
早速パトロールにレッツゴー!
雷鳥沢で 「突撃!お宅拝見」
その① クッキーさんご夫妻の場合/奥さまが保つ快適空間!
まず一組目にご協力いただいたのは、爽やかな笑顔の「クッキーさんご夫妻」!
奥さまは整理整頓したい派で、この日に使う小物は枕元、それ以外は足元にまとめて配置。 また、どこに何を置いたかを記憶しながら置いているとのこと。 なるほど、良いアイデアです!
一方、クッキーさんはオープンスペースに何でも置いて、探し物が見付からずに奥さまにヘルプをお願いするそう(笑)。
やはり置き場をある程度決めておくというのが大事なんですね。
その② マルさんの場合/衝撃のビフォーアフター!
続いてご協力いただいたのは、お酒が大好きな「マルさん」!
マストアイテムはやっぱりお酒とのこと。
早速テント内を拝見させてもらうと…なんというパンチ力! すばらしい逸材に出会ってしまったと感激の筆者。
しかし、すぐに寛ぎモードにできるとのこと。 この状態がいったいどうなるのだろうと1~2分ばかり待つと…。
なんとも居心地の良い空間に早変わり!衝撃のビフォーアフターなケースです。 コツは片寄せにしてまとめること。 そして「飲むための空間」をきちんと設けることでガラリと雰囲気が変わるようです。
相当山で呑み慣れている「マウンテン・ドランカー」ですね!
その③ あやさんの場合/まさかのモデルルーム!
さて、お次は本日がテントデビューという「あやさん」!
初めてだと要領がわからず、きっとさぞ散らかってるのでは?と興味津々で覗くと…
そこはまるでモデルルーム!シュラフが片寄せでキレイに敷かれており、広々空間の足元にザック、最低限の小物だけが置いてある状態でやはり整理整頓好きとのこと。 羨むばかりのテント内です!
その④ ひーちゃん&麦ちゃんの場合/マストアイテムは氷と熱湯?!
そして、お次は女性ハイカー「ひーちゃん&麦ちゃん」のお二人!
こちらもキレイに整理整頓されています! お互いの足元にザックが揃って配置され、テント泊時に使用するものだけを一箇所にまとめて置くことで、探し物がすぐに見付かるとのこと!
そして、マストアイテムは3本の保温タンブラー。 中身は「熱湯」「濃いめカルピス」「氷」。 濃いめカルピスはハイク中の「冷たくて甘いカロリー摂取用」、氷専用タンブラーはその補充用。
「熱湯」タンブラーは、さっぱり洗顔用。洗顔する頃には適温になっているんだとか。 皆さん、色々と工夫されていますね!
その⑤⑥ マイちゃん&あけさんの場合/大地主あらわる!
最後はとても明るい女性2人組の「マイちゃん&あけさん」!
まずは、整理整頓好きと言うマイちゃんのテントから。
すると、フリースペース広がる贅沢空間!定位置として、奥にシュラフ、足元にザック、枕元に使用する小物をまとめて置く、と決めているのだそう。
天井には細引きにヘッドライトと手ぬぐいを掛け、必要なものはすぐに手が届くところに。 まるで広大な中庭付き一軒家です!
次にあけさん。 ポイッと置かれたザックとシュラフが散らかった印象を与えていますが、荷物の少なさからかなり持参ギアを厳選できていることがわかり、居住スペースは充分。 シンプルなテント内は居心地良さそう! こちらも使用するものを一箇所にまとめて設置。 なるほど。
見えてきたテント整理のコツ!
皆さんのテント内を拝見させていただくうちに、キレイな方にはある共通点があることに気付きました。
まずは、シュラフがキレイに敷かれていること! これは単に見た目だけの効果ではなく、狭いテント内では、シュラフを中心に動線を整理するのがもっとも効率が良いのです。
そして、使用するアイテムを枕元、または一箇所に配置、それ以外は足元やザックに収納してあること。 これにより、探しものがすぐ見付かり、また、限られたスペースを有効使用することが出来そうです。
さぁ、ようやくカオス脱却のコツがわかってきましたね!
極小シェルターでも果たして真似できるのか?
筆者はいつものストックシェルター。 極端に小さいULハイク向けシェルターのため、ザックから出されたすべての荷物が枕元や両脇に溢れかえり、寝るスペースの確保さえ怪しい状態でした。みなさんから学んだことを、活用することはできたのでしょうか…?!
果たして成果は?!
《before》
《after》
この日使用するものだけを左脇スペースに配置、右脇はシューズを置くスペースとして確保。 頭上には使用しないギアをザックに入れコンパクトに設置。 極小スペースを有効活用、優雅に寝られるテント内に!やれば出来る、そう、やらないだけだったのだ…と鼻高々の筆者。
こうして無事、ゴミ屋敷から脱出することができたのでした。
YAMA HACK編集部にもお手本にできる人がいた!
YAMA HACK編集部メンバーのテントの中は誰もが汚い…と思いきや、実はお手本にできるメンバーが!キレイに敷かれたシュラフ、その枕元にはカテゴリ別に収納された荷物が整理整頓されています。 今後、YAMAHACK編集部内では、編集Fをお手本にテント内整理が向上しそうです。
やっぱりテント泊は自由で楽しい!
初めて覗き見る人さまのテント内。 ハイカーの皆さんのアイデアや工夫を垣間見ることができ、とても参考になりました。 快く取材にご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
この記事が、他の多くのカオスやゴミ屋敷で困っている皆さんのテント内の快適化に貢献できると幸いです。
それでは皆さま、どうぞ良い山旅を!