千葉雄大が震災ドラマに主演「他の人にこの役を取られたくないと思った」

11月20日に放送されるTBCテレビ60周年記念ドラマ「小さな神たちの祭り」(午後8:00、宮城ローカル)の制作発表会見が行われ、主演の千葉雄大、共演の土村芳、吉岡秀隆、サンドウィッチマン、脚本の内館牧子氏が出席した。東日本大震災で家族を失い、生きることに葛藤を抱える主人公・谷川晃役の千葉は「宮城県出身ですし、他の人にこの役を取られたくないと思いました。すごく思い入れのある作品になりました」と今作への並々ならぬ意欲を語った。

ドラマは、東日本大震災で自身を除くすべての家族を失った晃が、生き残った自分だけが幸せになっていいのかと悩んでいた時に、亡くなった祖父が運転手をしていたタクシーが現れて、連れられた先で愛しい人たちがあの日のままに暮らしている光景を目にするストーリー。

千葉は「一種のファンタジーのような部分もありますが、それが物語としてスッと入ってくる心温まる作品です。ぜひ多くの人に見てほしい」と呼び掛けると、共演の吉岡も「僕自身も生きる勇気をいただけたセリフがいっぱいありました。生きててよかったと思える作品です」とアピール。

サンドウィッチマンの伊達みきおは「僕の撮影は1日で終わったのですが、非常にキーになる役柄だと自分に言い聞かせて撮影に臨みました」とジョークで共演者を笑わせながら、「僕の周りにも晃のような境遇の友人がいますし、そういう人たちが前を向けるきっかけになる作品になるはず」とドラマの意義を訴えた。

脚本の内館氏は「母は秋田、父は盛岡の出身で、私も仙台の東北大学に通っていたので、震災にちなむドラマをぜひ書きたいと思った。私の周囲でもたくさんの方が震災で亡くなりましたが、私たちから見えないだけで、どこかでみんな楽しく生きているのではと思うことがあります。荒唐無稽ではありますが、“あちら側”を描けないかと思った」と脚本に込めた思いを明かしていた。

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