シルバーウィーク、どこ行く?紅葉がおすすめの穴場の山【アルプス編】 シルバーウィークの9月は山が紅葉に染まり始める時期ですね。紅葉登山と言えば涸沢が有名ですが、どうしても混雑が気になって出かけられない…。そんなときにおすすめの、アルプス方面で紅葉がきれいなちょっと穴場な山を集めました。どこも歩きやすくて紅葉をたっぷりのんびり楽しる山をエリアごとにご紹介します!日帰りから泊まり登山まで紅葉登山を楽しみましょう。

のんびり紅葉登山がしたい!

近年、長い休日となった9月の大型連休が注目され、シルバーウィークの呼称も浸透してきました。この時期、山は紅葉が綺麗な時期だから紅葉登山に出かけたいところ…!ですが、近年の傾向として山はお盆よりもシルバーウィークほうが混みやすいんだそうです。山岳雑誌で秋の涸沢の綺麗さを見て、天空の三段紅葉にあこがれる!けれど、秋の涸沢はテントが1000張も…。

ゆっくりと紅葉を楽しめる山はある?

そこまでの混雑を避けて紅葉を楽しめる山はないものか…。というわけで、紅葉がきれいで涸沢よりは混雑しない山を集めてみました。さっそく【北アルプス】【中央アルプス】【南アルプス】別にご紹介したいと思います。

紅葉がおすすめの山【北アルプス編】

北アルプスの紅葉が美しいのは、地形的にもきれいに色づく条件がそろっていることと、麓から山頂にかけて木の種類が多いので色とりどりに染まるからと言われています。ここでは、北アルプスで混雑を避けて登れる初心者向けの山から健脚者向けの山まで3つご紹介します。

唐松岳

北アルプスの後立山連峰の中央に位置する山。麓には八方尾根スキー場があるためリフトを利用でき、登山道も整備されているため北アルプスの入門登山としても人気があります。山頂までは片道約4時間半で日帰りも可能ですが、山頂近くにある小屋からの眺めも最高です。

ご来光と夕日に染まる紅葉が絶景

登山道のある八方尾根は、ナナカマドの赤やダケカンバの黄色と空の青のコントラストが美しく、標高の高いところではウラシマツツジの紅色が綺麗です。途中の八方池まではハイキングに訪れている観光客も多いのですが、そこから先はやや落ち着いて登山ができます。おすすめは、ご来光を浴びる草紅葉の金色の絨毯と、夕日をあびる幻想的な紅葉の斜面。ぜひ山小屋に泊まって見てほしい風景です。

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爺ヶ岳

後立山連峰の南部にある3つのピークからなる山。名前の由来は、残雪期に種子蒔きをするお爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、山の西方にはお爺さんが種を漬ける池ということで、種池という池もあります。技術的に困難な箇所はありませんが、最短でも往復8時間ちょっとかかるので、1泊するのが適当です。

優しい紅葉の風景に出合える

おすすめは柏原新道で爺ヶ岳に向かうコース。爺ヶ岳の南西斜面に広がるダケカンバの黄葉やナナカマドの紅葉が優しい色合いの風景を作っています。紅葉時期でも静かでゆっくり楽しめるコースで、途中にある種池山荘周辺では北アルプスならではの錦の紅葉も見られます。

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霞沢岳

上高地からすぐの位置にありながら、上高地から直接登れる登山道がないためか知名度の低い霞沢岳(かすみさわだけ)。登山口の徳本峠(とくごうとうげ)から山頂まで標高差はさほどでもないもののアップダウンが多いので累計標高が高く健脚者向けと言えますが、その分人も少なく紅葉時期でも静かな山歩きをすることができます。

ピークから見える穂高連峰の紅葉

霞沢岳は梓川を挟んで穂高連峰のと対峙する位置にあるので、展望の良いところでは穂高連峰が間近に見えます。K1ピークを越えて展望が開けると見えてくる、霞沢岳から北に延びる稜線の紅葉から穂高岳にかけての紅葉が絶景です。

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紅葉がおすすめの山【中央アルプス編】

中央アルプスと言えば千畳敷カールの紅葉が有名ですね!ただ、土日は混雑必至なので、ここではもう少しゆっくり登山できる山をご紹介します。

恵那山

中央アルプスの最南端に位置する山で、船を伏せたような山容をしているところから船伏山(ふなふせやま)とも呼ばれています。展望は少ないと言われていますが、途中からは南アルプスの眺めが良い場所もあり、登山口から山頂まで往復約4時間半と日帰りも可能です。

カラフルな紅葉ロード

登山口から山頂まで樹林帯が続くということは、紅葉の時期には赤や黄色に色づいた木々の中を歩けるということ。山頂部は針葉樹林帯で緑と麓の赤黄とのコントラストが絶景!登山口周辺では紅葉ロードとも言えるほどカラフルに染まります。

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御嶽山

御嶽山は中央アルプスには属しませんが、中央アルプスのすぐ西側にあるのでここでご紹介。長野県と岐阜県にまたがる独立峰タイプの火山で、7合目付近まで車やロープウェイで登れるので紅葉時期も多くの登山客でにぎわいます。ロープウェイ混雑時には、徒歩でも十分紅葉を楽しむことができます。

山頂から麓まで紅葉グラデーション

八合目付近はナナカマドやダケカンバが鮮やかに色づくおすすめの紅葉スポット。八合目付近まで上がると一気に視界は開け、独立峰で山頂から麓まで見渡すことができるため、紅葉のグラデーションの絶景が目の前に広がっています。行きは徒歩で、帰りはのんびりロープウェイを利用するのもいいでしょう。

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空木岳

空木岳は木曽駒ケ岳の南側、中央アルプスのほぼ中央に位置する山。山体は花崗岩の白い山肌が美しく展望も良いため人気があります。どの登山口からも距離があるため1泊2日以上で登るのが適当です。

紅葉と白と緑のコントラスト

空木岳の山頂周辺は、花崗岩の白とハイマツの緑のコントラストが美しい場所。そこに麓の赤や黄色の紅葉が加わった絶景を見ることができます。尾根に出る直前、紅葉した低木の中を泳ぐように歩き、見えてくる巨岩・駒石とのコラボも綺麗です。

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紅葉がおすすめの山【南アルプス編】

北アルプスと比べて目立たない南アルプスの紅葉ですが、実は隠れた名所がたくさんあるんです。どっしりとした山容の南アルプスならではの紅葉を楽しみましょう。

鳳凰山

鳳凰山は山梨県の南アルプス北部にある地蔵岳・観音岳・薬師岳の3つの山の総称で、鳳凰三山とも呼ばれています。南アルプスでは珍しく花崗岩の白い岩肌に覆われており、地蔵岳にあるオベリスクと呼ばれる特徴的な巨岩が遠くからでも目立っています。

稜線を歩きながら紅葉も楽しめる

地蔵岳から薬師岳までは尾根伝いの稜線歩きとなりますが、ここのウラシマツツジの赤が見事で稜線を歩きながら紅葉を楽しめます。登山道沿いの木々も色づき、ドンドコ沢コースで見られる滝と紅葉のコラボも必見です。

仙丈ヶ岳

南アルプス北部に位置する仙丈ケ岳は、大きくゆるやかな山容を持つことから南アルプスの女王と呼ばれています。登山口の北沢峠へのバスの本数も多く日帰りも可能で、南アルプスの入門登山としても人気です。北沢峠に1泊して甲斐駒ヶ岳を合わせて登るコースもおすすめ。

南アルプスの女王がまとう紅葉のベール

仙丈ケ岳の紅葉は9月中旬から10月中旬まで長く楽しめます。まずは稜線がところどころ真っ赤に染まり、その後黄色やオレンジなど色とりどりの紅葉を楽しむことができます。西側の花崗岩で白い甲斐駒ヶ岳と紅葉のコラボレーションも絶景です。

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千枚岳

南アルプス南部はアクセスしづらく山が大きいので山頂までの距離が長くなかなか登るきっかけがないかもしれません。そこでおすすめしたいのが紅葉が綺麗な千枚岳です。距離はあるものの難しい箇所はなく、山頂は360度南アルプスの大パノラマが広がります。千枚岳の南側には千枚小屋があるので1泊2日以上で登りましょう。

雄大な南アルプス南部の紅葉

(千枚岳から見た荒川岳)

登山口となる椹島も隠れた紅葉の穴場で、カラマツの黄葉が美しくドウダンツツジが真っ赤に染まっています。森林限界を超えたハイマツ帯では、南アルプスならではの大きな山容に草紅葉の赤や黄色のコントラストが美しく圧倒される景色を見ることができます。荒川三山方面の紅葉も綺麗です。

少しでも混雑を避けて、紅葉登山を楽しもう

(千枚小屋周辺)

いかがでしたか?アルプスの紅葉となると1泊する登山が多いですが、その分秋の美しい山の中にいる時間も長くなります。ぜひ時間を作ってたっぷりと紅葉登山を楽しんでください。紅葉の終わりごろになると降雪の可能性も出てくるので十分注意して出かけましょう。

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