桂小文枝、アイドル並みの人気だった「あの頃」

上方落語の桂小文枝が、年季の入った関西トークで番組を盛り上げた(東海ラジオ『源石和輝 ひるカフェ』9月3日12:00~13:00)。小文枝は今春、四代目を襲名したばかり。まだまだそれまでの「きん枝」のほうが馴染み深いだろう。小文枝は1951年生まれで大阪出身。1969年に三代目の小文枝に入門。本名の名字が「立入」で「立入禁止」から「きん枝」となった。当時の、なんば花月の支配人が名づけ親だそうだ。

きん枝で思い出されるのは、1970年代の大人気テレビ番組。1本は「ヤングおー!おー!」で、若手を育てようという企画から生まれたのが「ザ・パンダ」。きん枝、桂文珍、月亭八方、林家小染の4人グループだ。番組でグループ名を募集したところ、ちょうど上野動物園にパンダがやってきた頃で、一番応募が多かったそうだ。毎週、公開収録の会場からは、アイドル並みの大歓声が上がっていた。

もう1本は「プロポーズ大作戦」。出場者の初恋の人を探し出す「愛のキューピット」役で、オーバーオールにかわいい帽子姿で人気となった。この番組の後半が「フィーリングカップル5対5」というお見合いコーナー。どちらも大人気だったが、初恋の人を探し出すという企画も、フィーリングカップルも、素人・一般人が主役。きん枝は「番組制作予算がなくて、素人なら出演料がいらないから」と当時の関西のテレビ局の事情を話した。

また今回の番組テーマ「野球」については、まず、若いころ芸人仲間で作っていた野球チームの話。まったく野球を知らないメンバーが何人かいて、その芸人の口調を真似ながら「打ったら3塁に走り出した」エピソードや「漫才コンビの弟のほうが野球がうまいのでスカウトしたら、野球を全く知らない兄のほうが積極的に参加してきて困った」話などを披露した。

もうひとつの野球のエピソードは、往年の名選手・江夏豊にまつわるもの。「徹夜マージャンのあと、そのまま試合に行き、完投して戻ってきて再びマージャンを始めた」とか、江夏から聞いた「3人の恩師(高校野球部監督、村山実氏、金田正一氏)」などを、筋金入りの阪神ファンの熱量で話した。

きん枝が小文枝を襲名したのは今年の3月。名古屋での襲名披露公演は、9月10日(火)午後6時30分から御園座で行われる。口上では本人はしゃべらないが、桂文枝、月亭八方、立川談春らがどんな口上を述べるか楽しみだ。

源石和輝 ひるカフェ

放送局:東海ラジオ

放送日時:毎週月曜~金曜 12時00分~13時00分

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